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楽天証券のレポート
 ヤマダ電機への投資は見送るべきと判断しています。優待人気株として常に上位に出てくるのですが、ヤマダ電機を長年分析してきたアナリストとして、違和感を覚えています。
 ヤマダ電機は、構造的に収益力が低下しています。同社は、2017年3月期から2019年3月期まで、3期連続で業績見通しを下方修正しました。
 2017年3月期の営業利益を、同社は期初に714億円と予想していましたが、着地は578億円。18年3月期の営業利益は、期初予想が746億円でしたが、着地は387億円でした。そして、前期(19年3月期)の営業利益は、期初予想が721億円でしたが、着地は278億円となっています。
 今期(2020年3月期)の営業利益について、ヤマダ電機は426億円と前期比52.9%の増益を見込んでいますが、信頼性は低いと言わざるを得ません。10月に消費税が引き上がった後、売上げが低迷する可能性があります。
 ヤマダ電機の利益低迷が続くのは、国内家電販売(市場全体)のせいではありません。国内の家電出荷金額は好調です。2017年に20年ぶりに過去最高を更新した後、2018年も増勢が続いています。高付加価値の新製品が次々と出ることによって、国内で買い替え需要が盛り上がっています。こうした追い風を受け、ビックカメラなど家電量販店の業績は全般に好調です。業績を見ると、ヤマダ電機の一人負けとなっています。
 2つの経営戦略のミスが、ヤマダ電機の構造的な収益低下につながっていると判断しています。1つは、「出店戦略」のミス。都市部に集中出店せず、郊外や地方に大量出店したのが裏目に出ました。もう1つは、「多角化戦略」のミスです。不退転の覚悟で参入した住宅事業が足を引っ張っています。家電販売と住宅販売は、それぞれ専門知識が必要で、シナジーを出しにくい面があったと考えています。
 住宅の販売員には高度な専門知識が必要で、家電量販店でその人員を育成するのは容易でありません。住宅事業の経営そのものにも、下請け業者の管理や部材の調達などで家電量販店とはまったく異なるノウハウが必要です。新商品の開発競争も厳しくなっています。