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 ただし、「話し合い」といっても、使用者には法律によって、労働組合との団体交渉に誠実に応じる義務が課せられている。
 正当な理由なく交渉を拒否することはできないし、その内容も誠実でなければ違法となる。
 もし一人で会社と交渉しようとしても、無視されるか、適当にかわされてしまうことがほとんどだ。
 しかし、労働組合の場合には、法律の強制力があるので強い交渉力がある。
使用者に改善を迫る団体行動
 さらに、労働組合が持つ法的な権利は、会社側に交渉を強制するだけにとどまらない。話し合いが決裂した時には、労働組合は「争議権」を行使することができる。
 争議行為は、労働条件の改善を使用者に認めさせるための圧力行為だ。その最たる例がストライキ。それ以外にも、会社の違法行為を社会に広く訴えるなど、様々な手段がある。
 ストライキのやり方も様々だ。全面的に仕事をしない、というものばかりでなく、残業を拒否したり、一部の業務を拒否したり、時間や人を限って仕事を止めることもできる。
 例えば、保育園の書類業務だけを拒否したり、私立学校の朝礼だけを拒否することで、利用者に大きな影響を与えずに会社に圧力をかけるといったことも可能だ。
 ストライキや争議行為への参加を理由に解雇などの報復措置をとることも法的に許されない。
 これらの行動は、必ず参加する組合員本人の意思にそって進められる。組合が勝手に争議を決めることはない。
 不安があれば経験豊かな組合員に相談すればよい。納得できる方向性を提示してくれるはずだから、安心して行動に臨めるはずだ。
 ストライキを行うと、求人業者もハローワークの求人も止められるので、離職率が高いブラック企業に対しては強い圧力になる。
 これまでに、私立学校の教員たちの「朝礼」ストや、自動販売機大手企業でのストライキを通じて労働条件の改善が実現した事例がある。