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 その代わり、もし余裕ができたなら、組合に加入した労働者は、今度は他の人を助ける。その人が組合に残れば、また自分の問題に協力してもらう。
 こうして、労働組合に加入した人たちのつながりと経験値が組合の交渉力を高めていくのである。
 また、労働組合による交渉には、「どのように交渉するのか」という点について、労働者自身が主体的に関与できる。
 「パワハラをした上司に直接問題を質したい」といったことや、「社内改革について提案したい」といったことも可能になるのが労組の良いところだ。
 裁判や行政の処罰の場合、会社の問題を質したり、社内改革を促すことはかなり難しいのが実情だ。
 尚、労働組合というと、よく社内労組を想起されがちだが、社内労組は「労働組合の一つ」。会社と癒着してしまっていて、労働問題の解決に役立たないことも多い。
 これに対し、最近「ユニオン」と呼ばれているものは、社内労組ではなく、企業の外で活動する労働組合を指していることが多い。
相談から組合加盟までの流れ
 労働組合に相談すると、経験豊かで労働法の専門知識を有した組合員がまず話を聞いてくれるだろう。
 労働者の相談を親身になって聴き、そこから組合として何ができるのか、これから何をなすべきかについてわかりやすく説明してくれるはずだ。
 労働組合の法的な権利についても説明がある。相談は無料で、秘密は守ってくれる。加盟を強要されることもない。
 面談の説明に納得できるなら労働組合に加入することになる。持ち帰って検討するというケースも多々ある。
 加入の際には加入費が必要で、毎月組合費の支払いが求められるが、その額は組合によって異なり、数千円程度で、生活困窮者の場合には免除制度あることが多い。
 
 例えば、「総合サポートユニオン」の場合、入会金が1000円で、月の会費は年収で異なる(1000~3000円)が、実際の組合員のほとんどは1000円である。
労働組合の基本は話し合い(団体交渉)
 冒頭で述べたように、最近はストライキや抗議活動など、「闘争」する姿がよく報道されているが、それは労働組合の一面に過ぎない。
 労働組合の活動の基本は、団体交渉、つまり使用者との「話し合い」だ。団体交渉は使用者と労働者が労働条件について話し合う交渉のことだ。