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10月から通信市場に楽天が参入し、通信市場はこれまでの3社寡占から4社寡占へと変化します。単純に考えればパイの奪い合いになり、通信業界には逆風が吹いているように見えますが、必ずしもそうとは言い切れません。

楽天は売上高1兆1,000億円のうち4,200億円を国内eコマースが占め、楽天カードが1,900億円、楽天モバイルが900億円、楽天銀行が800億円、楽天証券が600億円、楽天損保が300億円、楽天生命が300億円と続いています。

eコマースはドコモがdマーケット、auがワウマ、ソフトバンクがヤフオク、カードはドコモがdカード、auがauウォレットカード、ソフトバンクがヤフージャパンカード、銀行はauがじぶん銀行、証券はauがカブドットコム証券、保険はauがライフネット生命、新市場の決済はドコモがd払い、auがauペイ、ソフトバンクがPayPayと、ネット金融大手のSBIやSNS大手のLINEを含めて多くの市場で競合しています。

ドコモはスマートライフ領域として、auはライフデザイン領域として、ソフトバンクは非通信領域としてeコマース・金融市場を拡大してきており、楽天が通信市場に新たな収益源を求めたというよりも、楽天経済圏を通信業界が侵食し始め、楽天が通信市場に参入せざるを得なくなったと考えられます。

楽天が通信市場に力を入れれば入れるほど、通信業界はその減収を補うためにeコマース・金融市場に力を入れると考えられるため、通信インフラへの巨額投資も抱える楽天が驚くような攻勢をかけるとは考えにくい状況です。

通信だけでなくeコマース、金融においても寡占化を進めることができるのか。通信業界の新たな挑戦が続きます。