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安田倉庫(株)【9324】の掲示板 2015/04/29〜2020/02/26

経済
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マイナス金利 家計は敗者 ゆるみとゆがみ 膨らむ副作用(下)
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「それって本当に動くんですか?」。京都大学で金融論を教える岩下直行教授は、最近の授業で学生が示す反応に戸惑いを隠せない。
マクロ経済学の基本である金利が変動すると説明しても、キョトンとした顔をするのだ。今の学生は生まれてからずっとゼロ金利で育ってきたため無理もない。岩下教授は「金利は古い教科書にある話で、メリットや役割を実感できなくなっている」と苦笑する。
日銀はデフレに対応するため、1999年にゼロ金利政策を導入した。2016年にはマイナス金利政策に踏み切ったが、物価は上がらない。かつて経済の体温計とされた長期金利もゼロ%程度に抑えこみ、家計、企業、政府の間にゆがみをもたらしている。
金利消失615億円
みずほ総合研究所が16年2月に導入したマイナス金利政策の影響を経済主体別に試算したところ、家計への影響が大きいことがわかった。住宅ローン金利の低下などの恩恵は460億円にとどまる一方、損失は預金金利の消失で615億円にのぼる。18年9月時点でネットの損失は155億円に膨張した。金融機関も利ざやの減少などによって、7639億円の損を被っている。
その半面、企業は借入金利の低下に伴い、差し引きで4455億円の利益を手にした。政府も利払い負担の軽減が大きく、6205億円の利を得ている。同研究所の野口雄裕氏は「マイナス金利政策の勝者は政府と企業であり、敗者は家計と金融機関」と話す