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日本航空(株)【9201】の掲示板 2022/01/19〜2022/01/25

オミクロン株の実態 共存という「収束」へ
新型コロナウイルスの1日当たりの新規国内感染者数が過去最多を更新した。感染力の強い新変異株「オミクロン株」の広がりに伴い、全国各地で最多を記録、「これまで経験したことのないスピード」(専門家)で感染が拡大している。ただ、患者の症状はデルタ株や従来株と異なっており、ウイルスの性質そのものも変化しているようだ。オミクロン株の初確認から2カ月。その実態に迫る。
2万人超にわずか9日 強い感染力
英国と南アでのオミクロン株の感染力はデルタ株の3~5倍程度高い。
感染拡大の要因の一つは潜伏期間の短さだ。国立感染症研究所が国内のオミクロン株感染者を分析したデータでは、潜伏期間の中央値は2・9日で、アルファ株の3・4日と比べて短い。



重症化しにくいウイルス
ただ、オミクロン株の病原性はデルタ株などと比べ低下しているようだ。

20日のアドバイザリーボードの会合で示された感染研の重症化リスクの分析データによると、肺炎以上の重篤な症状のある人の割合は、オミクロン株ではデルタ株のおよそ6分の1だった。ワクチン接種の影響は考慮されていないものの、感染研の担当者は「12月末以降の急速な届出肺炎割合の低下は、オミクロン株自体の重症化リスクが低いことを反映している可能性がある」としている。

また、感染研による沖縄県のオミクロン株感染者50人の分析では、これまで新型コロ9ナの症状として特徴的だった嗅覚・味覚障害はわずか2%だった。重症例や死亡例はなかった。

同様の傾向は英保健当局のオミクロン株感染者18万人の症状分析でも報告されており、のどの痛みはデルタ株の34%に対しオミクロン株では53%でみられた。一方、嗅覚・味覚障害についてはデルタ株で34%だがオミクロン株では13%に減った。

こうした臨床症状を裏付けるように、国内外の研究チームによる複数の動物実験で、オミクロン株を感染させたハムスターやマウスがデルタ株や従来株と比べ、病原性を示す体重減少や呼吸機能の低下が起こりにくく、ウイルスが肺などの下気道で広がりにくいことが分かってきた。

広島大の坂口剛正教授(ウイルス学)は「オミクロン株の出現によって、新型コロナが肺炎を起こしにくく重症化しにくいウイルスに変わったのは確かだろう。」と指摘する。

  • >>738

    東京医科歯科大の武内寛明准教授(ウイルス制御学)によると、オミクロン株は感染力が高いアルファ株やデルタ株に特徴的な変異を複数持つ。さらに免疫から逃れやすくなる変異のほか、感染伝播(でんぱ)性に関わる新たな変異も有するという。

    この変異の多さが、ウイルスの性質の変化に大きな影響を与えているとみられている。

    その一端を明らかにしたのが東京大や
    北海道大など国内の研究機関でつくる研究チーム「G2P-Japan」の実験だ。新型コロナに感染した細胞は、表面にウイルスのスパイクを発現しており、これを使って近隣の細胞にくっついて融合することで感染を広げていく。体内でウイルスが増殖していくルートの一つだが、チームの実験によると、オミクロン株の感染細胞ではこの細胞同士の融合のしやすさがデルタ株と比べて大きく低下していた。

    チームの福原崇介・北海道大教授(ウイルス学)は「スパイク変異により、細胞融合能が弱まり、感染の効率や感染の広がり方がこれまでと大きく変わっている。結果として肺で感染を広げにくくなり、病原性の低下につながっているのではないか」と指摘する。

    新型コロナはアルファ株からデルタ株、オミクロン株へと感染力を高める一方、弱毒化しつつあるようにみえる。今後どのように〝進化〟していくのか。

    東京医科歯科大の武内准教授は「過去の感染症の歴史からみても、ウイルスは宿主側でより自分の子孫を増やしやすくなるよう変化する。そうなると、必然的に感染伝播性の増加と反比例するように病原性は低下する。私見だが、新型コロナも同じストーリーをたどっているようにも感じる。現在の感染伝播性の増大の獲得スピードから考えると、そう遠くない将来、人間と共存・共生する形でコントロールできる感染症になるのではないか」と話している。(有年由貴子)