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船の環境規制、20年に大幅強化 海上運賃に上昇圧力

2020年に船舶の環境規制が大幅に強化される。海運各社は船舶燃料の硫黄分を大幅に減らす対応に迫られ、船の改修などで穀物や鉱石などを運ぶばら積み船の運賃上昇圧力がかかりそうだ。一方、規制に適合するための関連装置の需要が増え、国内の船舶機械メーカーは事業拡大につなげようと動き出している。

国連の専門機関である国際海事機関(IMO)は20年から、全ての船舶を対象に燃料油に含まれる硫黄分の上限を3.5%から0.5%に引き下げることを義務付ける。大気汚染の原因の硫黄酸化物(SOx)の排出を削減するのが目的だ。

環境規制の強化は、ばら積み船の需給引き締めにつながるとの見方が多い。海運各社の対応は主に硫黄分の少ない規制に適合した適合燃料を使うか、エンジン排気の脱硫装置(スクラバー)を船に備えるかの2つだ。

適合燃料は一般的な燃料のC重油より2~4割高く、燃費効率を高めるため運航速度を抑える船が増えそうだ。航海の期間が延び、船が手配しにくくなれば海上相場の上昇要因になる。

一方、スクラバーを搭載すると改修に1カ月前後かかる。ドックに入る工事期間中は船を動かせず、市場で稼働中の船が減る。ある大手海運は「想定より時間がかかっている船もある」と話す。

総合的な海運市況を示すバルチック海運指数は7月に一時、年初比で7割高くなった。ブラジルなどからの輸送需要の急増が主因だ。現時点で環境規制の影響は限定的だが、規制の対応が大詰めになる今秋以降、船舶の不足感が運賃を押し上げそうだ。

規制を商機とみて動く企業もある。富士電機は18年に船舶用スクラバーの生産を本格的に始め、小型を中心に約70基を受注した。新たに大型の2機種を開発中で19年中に受注を始める。北沢通宏社長は「相当伸びる事業」と語る。24年までに船舶システム事業の売上高を19年比で100億円増やす計画の柱だ。三菱重工業子会社の三菱造船も「スクラバーの受注実績はかなりある」として先行きにも期待を込める。

調査会社グローバルマーケットインサイツによると、船舶用排ガス浄化システムの市場規模は24年には80億ドル(約8500億円)と17年の10倍に急増する見通しだ。スウェーデンのアルファ・ラバルやフィンランドのバルチラなど北欧の舶用機器メーカーが先行し、日本勢が追い上げる。