東急(株)【9005】の掲示板 2018/07/14〜2020/05/31

2019/11/22東洋経済　不動産会社vs.テナント､｢立ち退き料｣の経済学

渋谷ストリームの開発をめぐって訴訟になった12件のうち1件では、
パチスロ店は東急が提示した2371万円を突っぱねたばかりか、
「立ち退きへの十分な補償が必要だ」との理由で逆に4億3739万円を突きつけ。

4億円以上もの乖離が生まれた原因は、内装工事や移転広告費などにそれぞれ1億円以上かかる、移転先の賃料が6倍に跳ね上がるといったパチスロ側の主張。

2014年2月、裁判所はこの主張を退けて東急側の金額を容認。
再開発事業という公共性が評価された形。
一連の訴訟について東急は「コメントできない」としているが、そのほかの訴訟でも、東急は勝訴もしくは実質的に勝訴といえる形での和解を勝ち取っている。

他方で、テナント側が高額な立ち退き料を勝ち取った例も。
西武新宿駅から目と鼻の先に位置する歌舞伎町一丁目。
東急レクリエーションらが地上48階のエンタメ施設を建設中。
1956年に開業したエンタメ施設「新宿 TOKYU MILANO」があった。
ビルは2014年に閉館し58年の歴史に幕を下ろしたが、
水面下では3年以上前から建て替えに向けた立ち退き交渉を行っていた。

映画館やボウリング場などフロアの大半は東急レクの自営で、
立ち退き対象となるテナントは少数。
交渉は容易かに見えたが、すし屋や居酒屋など一部のテナントが
建て替えに承知せず、やはり訴訟へともつれ込んだ。

2012年1月、東急レクは立ち退きを求めて裁判所に調停を申し立て。
不成立になると、同社は周辺賃料相場の回復を理由として、
ビルの賃料を月額275万円から391万円へと増額する訴訟を起。

訴訟を起こされた居酒屋「笑笑 歌舞伎町総本店」を運営するモンテローザは、「退去させるための不当な圧力だ」と猛反発。
逆にリーマンショックや東日本大震災後の不動産市況を理由として、
月額260万円への賃料減額をもぎ取った。

東急レクは、補償金3000万円を引っ提げて立ち退きを求める訴訟を改めて提起。
モンテは依然立ち退きを拒みつつも、訴訟過程において、
立ち退き料として約6億4000万円を提示。

高裁まで争った末、2013年7月に立ち退き料2億6000万円を支払うことで和解。
訴訟に関して、東急レクおよびモンテはともにコメントを拒否。