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REIT資産運用受託会社の機関構造と取締役の義務と責任(4)
資産運用受託会社(AM)は、単独株主による全額出資の設立によることが多い。例えば、オリックス不動産REITのAMオリックスAMがオリックスによる100%出資で設立されるように。親会社とは資本関係だけでなく、人的関係がみられる。
他方、REITには自身の持分権者がおり、AMの取締役は親会社やスポンサーの利益のためではなく、委託をうけるREITのためにのみ業務を執行しなければならない義務を負う。すなわち、投資家とAMとの間には直接の契約関係はないが、投資家の利益に対してのみ財産管理する信認義務を負う。
従ってAMの役職員は全て、親会社との間で利益相反のおこりえる出向や兼務は許されない。AMは唯一の受託業務のために、親会社の経営やビジネスとは独立した機関構造をもち、独立してビジネスジャッジメントできるに足る業務組織体制を備えていなければならないから、株主やスポンサー会社から役職員の出向を受け入れるなど、支配権の及ばないよう機関設計される。AMの取締役が親会社のために働き、不利益取引が発生し、損失が生じれば、投資家集団はREITを透かして、損失回復の訴えを起こすことになる。
どのAMも、親会社とは別に、独自に受託業務を執行するに豊富な経験ある役職員と大きな組織を備えている。
以下の添付図は、InvのAMのCIMの資本構造を示す。
CIMは、SBGが全額出資するケイマンLPの孫LPを通じて全額出資されるデラウエアLPの全額出資を受けるケイマンLPから80%、SBGから20%の出資で設立される。LPはSBGが設立するGP派遣専業のデラウエアLLCからGPを受け入れるので、事実上SBGの全額出資法人で、経営について人的影響を受ける。

親会社が自社のための企業買収によって取得する不動産物件をREITに譲渡することに、どのような制限があるか。
もし親会社の企業買収がREITに譲渡できることが前提であれば、いくらでも多額の資金をかけて買収を成功させても、。リスクを第三者に移転できれば、親会社は割高かどうかを懸念するに及ばない。REITは企業買収の親会社の受け皿ではない。どのような運用基準により、収益性を予測して取得するのか、そのための適正手続きに従い、AMがどのようにビジネス判断するかのプロセスが明らかにされる責任がある。

8963 - インヴィンシブル投資法人 REIT資産運用受託会社の機関構造と取締役の義務と責任(4) 資産運用受託会社(AM)は、単独株主に