IDでもっと便利に新規取得

ログイン


ここから本文です

「世界の損害保険支払い12兆円 コロナで過去最大規模に」
【イブニングスクープ】
2020/6/8 18:00 日本経済新聞 電子版

新型コロナウイルスのまん延で、世界の損害保険会社に損失が広がり始めた。東京五輪などイベントの中止・延期や休業による利益の喪失を対象にした補償が増え、2020年の業界全体の保険金支払いは約12兆円と過去最大規模になる見通し。補償範囲を巡る係争も起きている。コロナで損保会社の負担が増え、保険料上昇につながるとの見方が強まっている。

(中略)

日本国内ではイベント関連は、感染症のリスクは除く契約が大半だ。利益保険の普及率も低い。欧米子会社のイベント中止保険などの支払いで、東京海上ホールディングス(HD)で300億~400億円、MS&ADインシュアランスグループHDで約200億円の損失を見込む。SOMPOHDも海外の支払いが200億円程度に膨らむ可能性があるとみる。

訴訟や法制化の行方次第では、業界の負担はさらに膨らむ。保険会社は将来の支払いに備えて資産を運用しており、今回は株安や債券利回りの低下による重荷ものしかかる。英ロイズは運用面のコストを960億ドルと見積もる。

金融大手UBSは「コロナは市場の転換点になる」として保険料上昇を見込む。感染症のリスクを契約に明示するよう慣行が変わる可能性もある。

(ロンドン=篠崎健太、ニューヨーク=宮本岳則、平本信敬)