IDでもっと便利に新規取得

ログイン


ここから本文です

アイフル<8515> 金融支援終了のアイフル、利息返還なお重荷 新規融資で3位浮上だが、傷んだ収益力の回復は途上

四季報速報
 消費者金融専業大手のアイフルは8月25日、取引金融機関から返済猶予(リスケジュール)を受けていた借入金527億円を、同額の長短借入金の借り換えによって完済し、金融支援状態から抜け出した。アイフルは昨年7月の事業再生ADR手続き終了後も金融機関からの支援を受けてきたが、今回の債務借り換えにより他社と比べて周回遅れだった再建が大きく前進する。

 これまでの再建計画では、借り換えの対象となったリスケジュール対象債務は、2020年3月末までの各年度の3月末と9月末に残高の5%相当を弁済していくことになっていた。それを今回、一括弁済したうえで同じ額を借り入れた。金利水準は年利2%程度で大きくは変わらない一方、今後は個々の契約で定められた期日に従って返済していく。

■新たな資金調達も可能に

 そうしたことから同社は「連結業績に与える影響は軽微」としているが、プラス効果が見込まれる。最大のメリットは「金融支援対象でなくなることにより、業容拡大のための新たな資金調達をしやすくなる」(アイフル)という点だ。個々の金融機関の対応に委ねられるものの、金融支援対象から外れることで債務者区分の引き上げが期待できる。第2四半期決算で、「継続企業の前提に関する重要事象」の記述が外れるかどうかが次の焦点になる。

 アイフルが金融支援から抜け出せたのは、本業の回復が鮮明になってきたためだ。積極的なウェブ広告など販促策が奏功して、第1四半期(4~6月)の新規成約件数は前年同期比23%の約4万4200件に増加した。同順位でも、アコム、プロミス(SMBCコンシューマーファイナンスが運営)、レイク(新生銀行が運営)を含む大手4社のうちで、レイクを抜いて3位に浮上した。第1四半期には、連結営業収益でも9年ぶりに反転増に転じた。

 ただし、再建の道のりはいまだ楽観できない。最大の問題は、利息制限法の上限金利を超えて得ていた過払い利息に関する返還請求の動向だ。一部の司法書士事務所などからの請求が依然として多く、第1四半期の利息返還関連引当金の取り崩し額は93億円と高水準を続けている。

 これは同じ期間の営業利益の約3倍に相当する。昨年度に多額の引当金を積んだために今年度の引当金繰り入れはなくなると見込んでいるが、請求動向によってはどうなるかわからない状況だ。アイフルでは銀行系の他社と比べて資金調達コストが高いだけに、新たな引当金繰り入れが発生すると回復途上の収益を大きく圧迫する。

 アイフルに限らず、消費者金融大手では過払い金返還問題が予想以上に長引いている。中でも再建途上のアイフルにとって、その負担は重い。営業利益の範囲内に引当金取り崩しが収まっていくタイミングがいつ来るのか――次の注目点はそこにある。

(岡田 広行)


(百万円)   営業収益  営業利益 経常利益  純利益 1株益¥ 1株配¥
連本2015.03  86,352 -39,562 -36,498 -36,499 -75.7 0 
連本2016.03予 87,600 7,200 7,300 7,200 14.9 0 
連本2017.03予 89,000 9,500 9,600 9,500 19.7 0 
連中2014.09  42,884 5,991 7,523 7,796 16.2 0 
連中2015.09予 43,000 5,500 5,500 5,400 11.2 0 


(株)東洋経済新報社