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ニトリによる買収検討のニュースが表面化した翌日から島忠の株価は急騰。21日に約15%上昇し、22日には一時4995円と年初来高値を更新した。週間では12%の上昇となった。
■主要金融機関も巻き込む?
実はDCM・島忠連合は「ニトリの影はうすうす、感付いていた」(DCM関係者)が、友好的なTOBに横やりを入れるような強硬手段には打って出てこないと踏んでいた。それはニトリのメインバンク、みずほ銀行と主幹事証券の大和証券という日本を代表する金融機関の存在だった。
ニトリがこのまま島忠に対してTOBに踏み切ると島忠経営陣への敵対的買収になってしまう。この2社がニトリのアドバイザーとして就くことは「世間体からしても難しい。もし、そうなれば著名企業とそれを支える著名金融機関による初めての敵対的買収になる。もし敵対的買収をするならレピュテーションリスクを顧みない外資系金融機関か独立系の専門会社がアドバイザーだろう」(同)。
ここでも誤算が生じる。希望的観測はすぐに打ち砕かれた。DCM・島忠連合に「ニトリのアドバイザーとして、大和が就き、みずほも資金面で協力する用意があるようだ」と21日夕刻には伝わったからだ。ただDCM・島忠連合はまだ一縷(いちる)の望みに期待を寄せる。それは大和、みずほがニトリに対して「敵対的とならないようにクギを刺し、その条件が満たされないと動かない」といったものだ。果たしてどうなるか。ニトリ側にも、もどかしさはある。同社は今月末か11月上旬には島忠へのTOB実施を発表すると伝えられているが、このままでは資産査定ができない中でのTOB価格を算定することになる。今度はニトリ株主への説明責任が求められる。
ニトリにとって上場する家具・ホームセンター業界への秋波は大塚家具、LIXILビバ、島忠の3社だけでないかもしれない。言えるのはこの業界でのM&Aの実績がないことだ。事態は流動的だが、今回の島忠への買収検討は「誰にとって敵対的なのか」「主幹事証券、メインバンクの役割は何か」「株主の存在」など、古くて新しい問題を突きつけている。
[日経ヴェリタス2020年10月25日号]
#1 以上の理由で ニトリのTOB はない
大暴落