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村上陣営の戦略は極めてシンプルですが周到でもあります。投資に対するリターンを独自の物差しで算定し、それに見合うレベルに達するために、自分たちの考える意見を会社に対して積極的に言っていく、すなわち、物言う株主です。これまでにEDINETで開示されている大量保有報告書やその後の変更報告書に記載されている保有の目的の欄にも、次のようにはっきりと書かれています。
「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」
そうなんです。ここで言う重要提案行為等とは何か、その中には、取締役候補選任や、増配・自社株買いなどの株主還元、重要戦略の提案など、様々なことが含まれます。また、村上陣営にスタンスに変更がないとすれば、おそらく自己資金で投資していることから、腰を据えて戦略を練ることが可能なはずです。
すでに村上陣営としてEXITが完了した黒田電気という会社は、経営サイドが真っ向から村上陣営の助言・提案に反発。経営サイドに賛同する旨の従業員意見なるものを従業員の同意も得ないままに意見表明として公表し、その詰めの甘さもあり、後に村上陣営に捏造疑惑とまで指摘されてしまう始末。そこまでして、陣営阻止に躍起となったものの、残念ながら、いかんせん本業の不振という経営責任は言い訳のしようもなく、さすがに業を煮やした一般株主までもが村上陣営の株主提案に賛同し、承認可決される事態に至りました。最終的には外資の軍門に下り、上場廃止となったことは記憶に新しいところです。株主総会に至るまでには、水面下で村上陣営と再三にわたり協議するも、結局折り合いがつかなかったらしいことは容易に想像でき、後に村上氏もある会合で同様のコメントをしていました。
さて、では三信電気はどうなのかと言いますと、村上陣営と水面下でどのような協議をしたのかは定かではありませんが、企業価値・株主還元という点においては、なんとなく村上陣営の意見に対して一定の譲歩をし、その妥協の産物が、今回の一連の増配や自社株買いなのではないかと勝手に想像しています。おそらく、村上陣営からはその上を行く提案・要望があったのかもしれませんが、まあ、段階的にでも、村上陣営の言い分に耳を貸したことにより、資本の論理を振りかざして強硬な手段に出るというようなことにはならず、当面は同社が実行すると公表した一連の施策の実現に向けたロードマップを大株主として注視していくスタンスなのではないかと思っています。少なくとも一株主としても、それなりの恩恵を受けることができることは間違いないのではないでしょうか。
あくまで私見です。ご参考程度に読み流してくだされば幸いです。