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だから日本でつくる
省人化・ブランド…「本丸」磨き世界で稼ぐ
2019/5/29  日本経済新聞 電子版
福岡県北東部の北九州空港にほど近い工業団地。日用品大手ユニ・チャーム(8113)の国内新工場が26年ぶりに稼働した3月以降、行き交うトラックが増えている。工場内の搬送を極力自動化し、製造工程の進捗具合もデータで見える化して省人化。中国や東南アジアに紙おむつを届ける拠点だ。

ユニ・チャームのように国内工場の新増設でこのところ「ぶり企業」が目立つ。ライオン(4912)は香川県坂出市で2021年に52年ぶりの歯磨き粉新工場を計画。コーセー(4922)は山梨県南アルプス市で42年ぶりの新工場設置に動く。IHI(7013)も埼玉県鶴ケ島市で21年ぶりの新工場を準備中だ。

マクロのデータでもこうした動きはみてとれる。経済産業省の調べでは、国内の工場立地件数は18年に1123件と10年ぶりの高水準を記録した。同省や財務省の統計から製造業の国内向け設備投資の割合をはじいてみると、14年ごろに70%程度で底入れし、足元は75%前後で推移する。帝国データバンク総合研究所の集計によると、15年以降に国内で新設された生産拠点は450を超す。

企業が拠点として日本に目を向けるのはなぜか。いまも安全通貨として買いが入りやすい円相場をみれば、企業が円高はもう来ないとみて投資を決めたとは考えにくい。