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菱洋エレクトロ(株)【8068】の掲示板 2015/04/29〜2020/03/11

株、強まる物色の短期化 5Gやバイオ関連が乱高下
証券部 長谷川雄大

2019/7/11 19:45
1363文字
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株式市場で物色の短期化が強まっている。薄商いのなか、バイオや次世代通信規格「5G」関連では一部の中小型株が乱高下する。安定成長の期待される大型株が割高となり、市場は消去法的にこうしたテーマ株を物色するが、買いが続かない。市場参加者がリスクオンに転じるきっかけはみえにくく、けん引役不在の相場が続きそうだ。
「ロングショートの取引が本当にやりづらい」。国内証券のトレーダーは11日、こう嘆いた。テーマ株を買い持ちする一方、その他の銘柄を売り持ちする手法が効果を上げにくくなっているためだ。
例えば、5G関連の中小型株だ。基地局アンテナが発信する電波の計測用センサーの開発を発表した精工技研は10日に一時15%上昇したが、終値は2%高にとどまった。11日は4%の下落だ。
バイオ株でもがん治療や再生医療関連に買いが入るが、持続力は弱い。テラは9日に一時21%高となったが、同日中に3%高まで上げ幅を縮めた。一方で、4日に10%下落したカルナバイオサイエンス株は11日に一時18%高となり、約3年ぶりの高値を付けた。
乱高下の背景にあるのが市場参加者の減少に伴う流動性の低下だ。11日の東証1部の売買代金は8日連続で2兆円を下回った。2兆割れが続く期間は今年最長だ。6月末の米中首脳会談など投資家が身構える重要イベントを通過したにもかかわらず、世界景気の不透明感が拭えないためだ。
日本による韓国向けの輸出規制強化や、米国とイランの軍事衝突リスクなど新たな死角も意識され始めてきた。マッコーリーキャピタル証券の増沢丈彦氏は「長期投資家がリスクを取りにくいなか、短期筋ばかりで相場の方向感が定まらなくなっている」と話す。
安定成長の期待される銘柄が割高になっているのも、買いが続かない要因だ。MSCI世界株指数の「グロース(成長株)」と「バリュー(割安株)」のPER(株価収益率)の差はこの十数年で最高水準となった。そのため、国内外の機関投資家が短期的な利益を求め、割安な中小型株に物色の矛先を向けている。