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恒大問題をきっかけに表面化した中国の不良債権問題 今後の中国政府のかじ取りが注目されるが この事態について ほぼ2年前の2019年12月に日本総合研究所の関辰一氏が警鐘を鳴らしている そのほんの一部だが 参考になるゆえ抜き書きしたい

この10年間、中国では企業部門を中心に債務が急増した。国際決済銀行(BIS)によると、中国の企業債務残高は2008年末の31兆元(約480兆円)から18年末の136兆元(約2100兆円)へ4倍超に膨らんだ。

中国の金融機関の平均貸出金利は現時点で年率5.7%。単純計算すると、企業の利払い負担は年間7兆7520億元(121兆円)とGDPの8.6%になる。
このような状況下、中国で金融危機が発生するリスクは払拭できない。企業債務急増の裏には与信の急拡大がある。

金融機関は必ずしも経営状況を正確に公開しておらず、実際の不良債権比率ははるかに高い。上場企業2300社余りの15年の財務データを基に推計したところ、潜在不良債権比率は公式統計の5倍に達した。これを基に単純計算すると、いまの潜在不良債権比率は10%近くになる。

企業債務と不良債権が累積した要因として、中国政府が08年のリーマンショックに対応するために講じた4兆元の景気対策と大規模な金融緩和が挙げられる。これに加え、多くの企業と金融機関が政府の「暗黙の政府保証」あるいは明示的な債務保証を前提に、リスクを軽視した経営判断を続けてきたことも大きい。

2013年に習近平氏が国家主席に就任してから、政権運営の統制色が強まった。国有部門の強大化によって、もたれ合いの構造を続ける方針だ。過剰債務・不良債権問題は長期にわたって中国経済の下振れリスクとしてくすぶり続けよう。