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伊藤忠商事(株)【8001】の掲示板 2019/08/07〜2019/11/09

伊藤忠株式の強みと課題の冷静な分析。
結論は業績超安定とキャッシュフロー改善で将来有望とのこと

伊藤忠、今や内需株 株価一人勝ちのわけ
              証券部 武田健太郎  2019/10/17 日経新聞
 米中貿易摩擦などで商社株が伸び悩むなか、伊藤忠商事の株価が堅調だ。年初からの騰落率は22%高と、三井物産(6%高)や三菱商事(11%安)を上回る。9月24日には上場来高値を付けた。投資家が注目するのは、業績の安定性だ。伊藤忠は他の商社と同じ土俵で比べにくくなっている。

 各社が期初に公表した純利益予想と実績の乖離(かいり)を比べてみよう。過去9年間の乖離幅の平均は、伊藤忠が250億円。三菱商事の1220億円や、三井物産の850億円よりも乖離が小さい。伊藤忠は業績のブレが小さく、投資家の買い安心感につながっている。
 伊藤忠は特定の出資先に利益を依存せず、非資源系の小規模な子会社や持ち分法適用会社の利益を細かく積み上げている。

 伊藤忠株が連動性を高めているのは、味の素や日清製粉グループ本社といった内需関連ディフェンシブ銘柄。一方、三井物産は豪英資源大手BHPビリトンと、三菱商事は米投資ファンドのカーライル・グループと連動しやすくなっている。伊藤忠は商社株の代名詞だった「資源関連株」「海外関連株」から脱却しつつある。

 課題はキャッシュフローの向上だ。関連会社の収益改善と子会社化を推進中
8月、持ち分法適用会社のプリマハムへの出資比率を4割超に引き上げた。今後子会社化する可能性が高い。実現すれば取り込める営業キャッシュフローは18年3月期ベースで約240億円となり、現状の配当収入に頼る10億円程度から大幅に増える。プリマの経営難の時代に伊藤忠がテコ入れし19年3月期の純利益は82億円と、高収益企業に生まれ変わった。直近ではプリマのソーセージ「香薫」のシェアが三菱商事傘下の伊藤ハム米久の「アルトバイエルン」を抜き、首位の日本ハム「シャウエッセン」に続く国内2位に躍り出た。
 持ち分法適用会社を子会社化すれば、出資先からキャッシュを吸い上げやすくなる。すでに17年にヤナセ、18年にユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)を子会社化している。こういった事例を積み上げられるかが、株価の上値を追うカギを握る。