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任天堂(株)【7974】の掲示板 2018/06/20

自分がゲーム機のライフサイクルを探訪するツアーという文章を再掲載したのには理由があります。それはこの11個のグラフは任天堂のことを深く知りたいのなら誰もが脳裏に焼き付けておいた方がいいと考えたからです。

何を読み取るかは人により異なりますが、全てのグラフには開発者の戦いの歴史が刻みこまれているのは確かで、グラフの上下動の中には開発者の一喜一憂が隠れています。そこに思いを馳せて全体を眺めることがゲーム機のライフサイクルの探訪になります。

また、任天堂のことを書くライターやアナリストはこのグラフを脳裏に焼き付けておいてから構想を練るべきだと思います。断片的な情報から全体を予想することの異常さに早く気がつくべきです。

だいたい新しいことをするなら、行動に移る前に、過去10年分くらいの情報を掘り起こし、グラフ化して何千回も眺めていると、だいたいのことはわかりますし、そのうち10年後くらい先までのことならなんとなくわかるようになりますから、そのくらいの準備はすべきです。



グラフの確認から、ゲーム機の戦いではクリスマス商戦が大切なことがわかりました。それは売り上げだけではなく、その時期に人の交流が巻き起こり、楽しさの経験が拡散する効果があるからです。

さらにゲーム機の天王山は、ゲーム機のソフト環境が充実する二回のクリスマス商戦にあることがわかりました。それを越えてからピークが始まります。これはすべてゲーム機で起きている現象です。

また、アナリストの主張する二年目での販売不振はこれまで起きたことのない現象です。

その意味では、携帯型のゲーム機であり、なおかつ、みんなで遊ぶこともできるスイッチは、クリスマス効果を強く活かせる製品だと認識を新たにしました。

去年のクリスマスには、スイッチにはゼルダ、マリカ、スプラ、マリデという、4本の主要ソフトしか搭載されていませんでした。しかし今年のクリスマスには、そこにマリテ、ポケモン、スマブラ、マリパが加わっていて、ラインナップのゴージャスと楽しさは格段に向上しています。またジョイコンも増えてるいるでしょう。スイッチが複数揃うことも多いでしょうから楽しさは掛け算で増えています。

さらに遠くの親戚の方々とのポケモンの交換も楽しみでしょう。大画面テレビでのポケモンのプレゼントに子供達は夢中になるでしょう。おじいちゃんの持つポケボールは子供達の垂涎の的になるでしょう。

全てのゲーム機で、2回目のクリスマス商戦を超えると売り上げが伸びるのは、これに似た現象が起きるからです。そしてスイッチはクリスマス効果が極めて高い製品であることがわかります。また任天堂はその効果を狙っていることもわかります。スイッチは不振どころか、2回目のクリスマス商戦を飛躍のチャンスにする準備を整えています。

要するにクリスマス商戦は、ゲーム機の売り上げが伸びるだけだという認識では、認識の幅が狭すぎるといういうことです。クリスマス商戦こそ、翌年の売り上げを決める、最大の販促のチャンスであるということです。