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鹿島木材(浜松市)は集成材事業を強化する。内装用の集成材の板を加工する機械を新たに導入し、年間出荷量を2割増やす計画だ。設備投資資金を賄うために初めて私募債を発行、1億円を調達した。浜松市と民間が一体となってブランド化を進める天竜材の扱いを増やすために、関係企業の投資が広がりそうだ。

 内装用の集成材は断面の小さな木材をプレス機にかけて接着して板状に加工し、その板を切削・研磨したもの。輸入木材を含めた集成材の出荷量は2016年3月期で590立方メートルだったが、これを19年3月期には2割増の700立方メートルに増やす計画だ。天竜材を中心に増産する。

 増産に備え研磨工程に使う「プレーナーサンダー」と呼ぶ機械の新機種を約1500万円を投じて導入した。

 従来の機械は板を削る工程とサンドペーパー(紙やすり)で板を磨く工程を一つ一つこなすため、1枚の板の表裏を仕上げるまでに10回ほど板を機械に通す必要があった。新機種は切削と研磨を1度にこなせるため、表と裏で2回、機械を通せば加工が終わる。

 新機種の導入でめざすのは適切な森林の管理・経営を証明する「FSC認証」を受けたヒノキやスギなどの天竜材の加工を増やすことだ。浜松市は国際的なFSC認証を取得した天竜材を東京五輪の施設へ採用するよう働きかけているほか、小学校など地元の公共施設でもFSC材の利用が増え需要が拡大している。

 鹿島木材は「FSC材は短期間で大量の加工が求められることも多いため新設備を導入した」(高林秀行社長)と話す。

 設備投資の資金を賄うために初めて私募債を2月に発行した。3年物の無担保社債で、商工組合中央金庫の浜松支店が全額を引き受けた。従来の借り入れよりも低利で使い道の自由度が高い社債を活用する。

 鹿島木材は1946年設立の材木店で、13年には浜松市天竜区の本社の近くで経営破綻した建材メーカーの工場を買収して集成材事業に進出した。東京五輪でFSC材の認知度が高まり首都圏などでも需要が高まると見て、設備の増強を決めた。

 17年3月期の売上高は前期比5%増の23億円になる見通し。このうち集成材は6億7000万円程度になりそうだ。19年3月期には集成材事業の売上高を7億円に伸ばしたい考え。