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>>日経バイオテク 2022.1.24

   スリー・ディー・マトリックス(466円、前週比-18.8%)
 1月21日に466円(前日比-5.3%)を付けて3日続落となり、本稿で紹介しているバイオ企業50銘柄の中で、前週に比べて最も下落した。同社は12月中旬から株価が上昇し、一時は600円を超えていたが、ここへ来て足踏みが続いている。

 同社は2021年12月中旬から値上がりを始めていた。同社の主力製品である吸収性局所止血材「ピュアスタット」は、12月1日に日本で保険適用され、医療機関による保険請求が可能になった。ピュアスタットの浸透は順調で、日本で内視鏡治療に強いトップ150病院のうち6割、またそれらに続く規模の250病院でも4割ほどで採用済み、またはトライアルに至っているという。このため2023年4月期の黒字化達成に対して期待感が高まっている。

 さらに、ピュアスタットなどの製品を製造する委託先として、これまで依頼していた扶桑薬品工業の後継として、ドイツのPharmpure社と契約したことも追い風となった。製造供給面のリスクが払拭されたことが買い材料となったようだ。

 ただ、ここへ来てマザーズ市場全体として株価が低調となっているのに加え、12月中旬からの株価上昇によって移動平均線との乖離(かいり)率の高まりもあり、株価が調整に入ったと考えられる。今後、同社が目標とする2023年4月期の黒字化に向け、粘膜隆起材「ピュアリフト」の保険収載、米国での順調な立ち上がりなどが確認されれば、回復に向かうのではないか。

 なお、スリー・ディー・マトリックスはピュアスタットにも用いられている自己組織化ペプチドの応用先として、ドラッグデリバリーシステム(DDS)を柱に据えて研究を進めている。注目は、2022年1月20日に発表された広島大学のニュースだ。抗がん作用のあるマイクロRNA(miRNA)を悪性胸膜中皮腫の患者に投与する医師主導治験が同大学で開始されたが、そのmiRNAを体内に効率よく届けるために使われているのが、スリー・ディー・マトリックスが提供したA6Kというペプチドだ。これまでにも国立がん研究センターでRNA干渉を目的とした医師主導治験にも使われてきたが、今回の治験で改めて注目が集まりそうだ。