政府が19日決定した新たな経済対策に絡み、「Go To キャンペーン」を追い風とする外食やサービスといったリベンジ消費関連銘柄に注目が集まりそうだ。緊急事態宣言の全面解除が発表された9月以降では、経済活動の正常化を見込んだ投資資金が関連株に流れ込む場面 があった。しかしエネルギー価格の上昇や人手不足などでジリジリと上がりだした物価への警戒と先行き不安で鈍い足取りになるとの見方から、いったん利食いの動きが優勢となった。ここにきて新型コロナウイルス感染症が収束の動きをみせるなか、足もとでは外食業界に客足回復の兆しが徐々に見え始めている。年末に向けて忘年会やクリスマス関連需要も加わることで、株式市場でもリベンジ消費の波に乗る外食関連株に投資資金が還流することが期待される。
KING 2021年11月30日 13:10
―帰ってきたナイトエコノミー、「食」のDX推進も新たな形の需要創出へ―
政府が19日決定した新たな経済対策に絡み、「Go To キャンペーン」を追い風とする外食やサービスといったリベンジ消費関連銘柄に注目が集まりそうだ。緊急事態宣言の全面解除が発表された9月以降では、経済活動の正常化を見込んだ投資資金が関連株に流れ込む場面 があった。しかしエネルギー価格の上昇や人手不足などでジリジリと上がりだした物価への警戒と先行き不安で鈍い足取りになるとの見方から、いったん利食いの動きが優勢となった。ここにきて新型コロナウイルス感染症が収束の動きをみせるなか、足もとでは外食業界に客足回復の兆しが徐々に見え始めている。年末に向けて忘年会やクリスマス関連需要も加わることで、株式市場でもリベンジ消費の波に乗る外食関連株に投資資金が還流することが期待される。
●外食産業は「夜明け前」
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査で、9月度の外食市場の全体売上高は前年同月比8.2%減となり、2ヵ月連続で前年を下回った。飲食店予約・口コミメディアとして知られる「食べロ グ」を運営するカカクコム <2371.T> が10月20日、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を236億円から215億円(前期比17.5%増)へ下方修正した。食べログ事業が期初計画を下回る見込みとなったことが要因で、厳しい外食の事業環境を反映した内容だった。しかし、下方修正を発表した翌日の株価は小幅の下げにとどまり、外食産業の「夜明け前」を予見する投資家の姿勢を表す動きとなった。
実際、新型コロナの感染者数が急速に減少したことを受け、東京や大阪などで飲食店への営業時間短縮要請が10月25日に解除され、午後8時までの酒類提供制限もなくなった。同じく飲食店情報サイトを運営するぐるなび <2440.T> によると、10月1◆15日の飲食店ネット予約件数は、緊急事態宣言 が発令されていた9月の同期間に比べ約2.6倍に増加したという。
●「ナイトタイムエコノミー」復活で居酒屋関連銘柄群に注目
外食の中でも、コロナ禍での影響を最も受けた「ナイトタイムエコノミー」に関連する 居酒屋・カラオケ株が売られていたが、それだけに業績面回復への期待も大きい。こうしたなか、居酒屋「甘太郎」を中心に展開 するコロワイド <7616.T> や居酒屋大手のワタミ <7522.T> 、大庄 <9979.T> 、チムニー <3178.T> などの注目度が高まっている。また、緊急事態宣言明け後のリフレッシュ方法としては、外食よりもカラオケが人気になるとの見方もあり、ようやく営業再開が可能となったカラオケ業態の展開にも関心が集まっている。関連銘柄はコシダカホールディングス <2157.T> 、鉄人化計画 <2404.T> [東証2]、DDホールディングス <3073.T> などが挙げられる。…