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川重、水素液化設備を商用化 来年めど、次世代エネ普及狙う
2019/5/22付日本経済新聞 朝刊

川崎重工業は国内メーカーで初となる水素を液化する設備の商用化に2020年をめどに乗り出す。水素の効率的な輸送ができ貯蔵も含めた供給網を整えられれば、水素を使う燃料電池車(FCV)や水素ステーションの拡大や、水素をつかった発電など利用機会が広げられる。次世代エネルギーとして注目される水素の普及を後押しする。

同社は水素を冷却して液化させる液化機を手掛けている。専用の運搬船が必要だが、純度が高く輸送先でそのまま燃料電池や発電に活用できることがメリットだ。

水素はセ氏マイナス253度に冷やして液化すれば体積を800分の1にでき、一度に大量の輸送が可能になる。例えば海外の再生可能エネルギーによる電気を使って発生させた水素を液化して日本に運び、クリーンエネルギーを輸入することも想定される。化学工場などに併設し、副産物としてできる水素を液化し、発電につかうシステムも想定できる。

同社は従来と比べて液化の効率を2割弱向上させ、液化できる量も日量5トンから5倍の同25トンにまで増やせる試作機を開発。耐久性テストなどを経て外部販売を始める。

川重は天然ガスの液化機や貯蔵タンクのノウハウを用い、水素の貯蔵タンクや配管までのエネルギー供給網を提案する。

販売先はエネルギー関連の資源開発事業者などで、日量5トン級の液化機で建設費の目安は30億~40億円ほどという。川重は水素関連事業で30年度に1千億円超の売上高を目指す。

トヨタや資源メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなどで構成する水素協議会(本部ベルギー)は30年までに水素社会を構築するために製造・輸送設備など1900億ドル(約20兆円)分の投資が必要と試算している。