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シスメックス(株)【6869】の掲示板 2022/06/09〜2022/09/26

シスメックス”手術支援ロボ”売上1000億円超へ描く道筋(4)
マインズを生かした戦略の一例が手術室のデザインになる。
手術は手術中だけでなく、前後にも多くの時間がかり、どう業務を効率化するかに頭を悩ませる病院は多い。
シスメックスは、これまでも検査装置を納入する際に、装置の設置場所や動線の取り方などをトータルで提案することで、検査の効率化を実現してきた。ここで培ったノウハウと、手術室内で医師や手術助手がどう動いたかなどマインズで収集したデータを組み合わせて、手術室全体のデザインを提案していく計画だ。
もう一つ、シスメックスの強みとなるのが、手術前後に加えて手術中にも検査を組み合わせることで、手術の効率化だけでなく、患者の負担を軽減するシステムの提供だ。
■術前、術中、術後のデータ活用で優位性を発揮
現在、シスメックスは手術前に血液が正常に凝固するか、血栓のリスクはないかなどを調べる血液検査や、「OSNA(オスナ)」という技術を用いたガンがリンパ節へ転移しているか40分程度で確認できる検査システムを提供している。
たとえばオスナでは採取したリンパ節を手術中に結果確認でき、どのような手術をすべきか判断を下す助けになったり、再手術を避けたりできる。
これらの検査データとマインズで取得したデータを組み合わせることで、術前の検査結果をどう手術に生かすか、どのような手術が術後の患者の負担を低減できるかなど、患者のQOL向上につながる方法を医師が考察するサポートができるようにする方針だ。
また、今後は教育システムにも力を入れる。
熟練した医師がヒノトリをどう動かしたか、鉗子の位置や手術のプロセスなどのデータを活用して、他の医師もその手技を学ぶことができるようにするという。
競争が本格化するなか国内外でヒノトリを普及させるためには、機器の性能だけにとどまらない優位性を確立することが不可欠だ。描いた戦略を実現できるか、シスメックスの力量が問われている。 
    (大竹 麗子)