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台湾積体電路製造(TSMC、@2330/TW)が16日に発表した2019年10~12月期の決算は前年同期から16%増益となり、市場予想を上回った。次世代通信規格「5G」の広がりを背景に20年1~3月期にも強気な見方を示し、20年通年の設備投資も過去最高だった前年から一段と上積みする。上場来の高値圏にある株価の背後にある半導体需要の回復期待を好業績で裏付けた。

 「10~12月期は高機能なスマホ、初期の5G対応機器向けに最先端品の需要が強かった」。
10~12月期の純利益は16%増の1160億台湾ドルとなり、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(1118億台湾ドル)を上回った。売上高は9%増の3172億台湾ドルだった。

 半導体の微細化で最先端の7ナノ(ナノは10億分の1)メートル品が売り上げ全体の35%に達し、利益率の押し上げにつながった。粗利益率は7~9月期から2.6ポイント上昇の50.2%、営業利益率は同2.4ポイント上昇の39.2%。香港の華晋証券資産管理の馮宏遠・最高投資責任者(CIO)は「技術的な優位性により、価格交渉力が強いことを示している」と指摘する。

 TSMCの主要な顧客である米クアルコムは20年に世界で2億台以上の5G対応スマートフォンが出荷されると予想している。5Gは従来の100倍の実効速度で通信できるとされ、データ処理能力の高い最先端の半導体の重要性が高まる。会社側は5G向けの需要が20~21年に本格化するとみて、先行きにも強気な見通しを示した。20年1~3月期の売上高は102億~103億米ドルを見込んでおり、市場予想の97億米ドルを上回った。

 世界の半導体業界で注目される20年通年の設備投資額の計画は150億~160億米ドル(約1兆6500億~1兆7600億円)とし、過去最高を大幅に上回った19年(149億米ドル)を0.7~7.4%上回る見込みだ。20年には米アップルなど向けに次世代の5ナノ品の量産を開始し、高機能品の需要を取り込む構えだ。

 TSMC株は19年に47%上昇して上場来の高値圏にある。業績回復は事前にある程度織り込んでいたが、今回の決算では期待を上回る高い成長性を示した調整があれば買いの局面だ。5G需要や技術的な先行を考えれば今後2年程度で3~4割の上値も見込める」との声が出ている。