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規模は急拡大したが、財務は規律を保ち続けてきた。有利子負債を自己資本で割った負債資本倍率(DEレシオ)はほぼ一貫して低下を続け、10年3月期の2倍から19年3月期は0.7倍にまで改善していた。

ただ、自社便による路線展開は、コロナ禍のような需要が急減した場面にリスクも高まる。固定費が大きいためだ。

ANAは過去の投資で機材の整備費やリース費用が膨らんだ。QUICK・ファクトセットによると、航空機のメンテナンス費は10年3月期563億円から19年3月期は1571億円に、レンタル費は604億円から1234億円に増えた。

レンタル費の増加には、機材をリースでまかなう格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションを連結子会社化したことも含まれるものの、両費用とも増加幅はJALと比べても大きい。減価償却などと違い、現金の流出を伴う支出だけに、コロナ禍のような緊急事態には経営により大きな重荷となる。

ANAは当初、今夏までコロナ禍による需要低迷が続くと想定していた。ANAの8月の旅客数は国内線は前年同月比75%減だったが、足下では国内線は大きく回復しており、「11月の予約数は前年の6割程度の水準になる見込み」(ANA)という。一方、国際線は同96%減と低迷は当初の想定を超えて続いている。

コロナ禍の影響がなかった19年3月期の決算を見ると、ANAの旅客収入のうち国内線が6966億円に対し、国際線は6515億円を占めた。国内線で安定収益を稼ぎつつ、成長の見込める国際線を広げていくのがコロナ禍前の基本戦略だった。事業の大きな柱である国際線が回復しなければ復活は見通せない。

■空の「新常態」を見据え、構造改革を断行
負担を軽くするため、ANAは大型機を中心に保有機の1割程度に当たる25~30機の削減を検討している。大型機や経年機を中心に減損損失を計上する見通しだ。