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(株)高岳製作所【6621】の掲示板

年末一旦終息したかに見えた原油価格は年明け以降も下げが止まらず2015年が本格的に始動し始めた1月5日のNY市場ではWTI先物の原油価格が5年8ヶ月ぶりに1バレル50ドルの節目を割る状況となり、さらに下値を模索する状況となっている。これにより日銀が当初の量的金融緩和で目指した2年で物価上昇率2%という目標達成がかなり遠のく状況に陥ってきている。

 昨年10月末、米国FRBのテーパリング終了直後に市場の意表をつく形で実施を発表した日銀の追加量的緩和は確かに世界的に大きなインパクトをもたらすこととなり、日経平均株価もドル円の為替相場も市場予想をはるかに超える形で大きく上昇することとなった。元財務省の財務官であった黒田氏がもっとも効果的なタイミングでの政策発表についてマーケットの情報を集めながら相当練った上で実施した巧妙な策であったことは間違いないが、同じタイミングで原油価格が大きく下がりだしたことから、エネルギー価格を含めたCPIで政策決定をしている日銀にとっては予想外のインフレ低下要因に直面したことは間違いない。市場では果たして日銀によるさらなる追加緩和QE3が実施されるのかどうかに大きな注目が集まっている。

■知名度は高いものの内容は単なる金融抑圧に過ぎない「アベノミクス」

 2012年後半に個人がブログでその名称を使った直後に日経新聞が追随して使い始め、急激に知名度を高めることになったアベノミクスと呼ばれる経済政策だが、名称だけが一人歩きしているものの、実は3本の矢といわれた政策の中身でまともに実行されたのは日銀の量的金融緩和だけで今日に至っている。この量的金融緩和は典型的な金融抑圧であり、政府が本格的な財政再建を一切行わないまま、債券や通貨の価格形成に直接もしくは間接的に介入することだけによりその需要を変えようとするもので、現実問題として実態経済と株価の相関性は既に崩壊し官製相場と呼ばれる不自然な高値相場だけが継続し続けている。

 日経平均の株高状態の示現は、円安を利用した企業業績そのもののバブル化に他ならず、円安状況でも必ずしも輸出企業の販売が改善し輸出量が改善する状況にない中にあって、海外現地法人からレパトリで戻ってくる利益だけは円換算すると帳簿上は大幅に嵩上げされ、確かに上場企業の資金調達と内部留保金に大きなプラスの影響を与えることとなっている。しかし同様に円安だけをもってしてインフレを呼び起こすことに関しては、既に円安による物価押し上げが一巡した上、原油価格の大幅下落が大きな足かせになってきており、2年で2%のインフレ率達成はもはや絶望的な状況に陥りつつある。

■QE3をやらざるを得ない状況が切迫

 都合2回の量的緩和を行ったにも関わらず、原油価格大幅下落により国内のコアCPIが低下し、デフレに逆戻りする可能性がでてきている。このまま原油価格が1バレル20ドル台を試しに行くようなことがあれば3月位にはCPIがマイナスに陥ることも十分考えられる状況となってきているのだ。日銀の当初予定では向こう1年間ぐらいは様子を見るつもりだったのだろうが、市場の期待インフレ率をとどめるためにも緩和を続けなくてはならない状況に迫られていることは間違いない。

 長期停滞論を唱える米国の前財務長官であるローレンス・サマーズは「バブルがないと経済はマイナスの自然利子率に陥ってしまう」と発言し、バブル容認論を打ち出しているが、日銀のやり口も完全にこれに追随するものであり、一旦量的緩和をやりだしたら続けざるを得ないのが現状となっている。早ければ今年の4月、もしくは7月にはQE2の実施を迫られる可能性は極めて高いといえる。また安部政権が2016年7月参院選の大勝を狙う動きから景気=株価上昇とインフレ率の押し上げが日銀にとっても急務となる可能性は高く、追加緩和はすでに確定的との見方も根強い。

■事実上出口戦略の無い状態が日銀のQE

 日銀は今年新発国債のほとんどを自行で買い入れる意向で、現状では異常なほどその金利が下落傾向にあるが、この国債買い入れを止めると宣言した途端に国債の長期金利は急騰し始めることが予想され、国債の利払い増加を避けるためにも異次元緩和を続けざるを得ない状況に陥っている。ただこのQQEの継続はコントロール不能なほどの円安状況を次元しかねないのも事実であり、年間3兆円にも及ぶ日経ETFの買い付けも含めたこの前代未聞の財政ファイナンスが著しい負の遺産を積み上げつつあることだけは間違いない。

 現状で日銀のバランスシートは300兆円に迫る勢いだが、これで1割の評価損が出た場合いきなり債務超過の状況となってしまうことを忘れてはならない。2016年7月の参院選までこのままの緩和を続け、しかも2017年4月には消費税増税が確定している中にあって、日銀が出口戦略をとる余地はなく、しかもひとたび国債購入中止を宣言すれば長期金利は急騰し、景気は大きく後退、途端に国は利払いのために大きな赤字を背負い込むことになり、財政破綻へと国際市場の関心が移ることになるのは間違いない状況だ。消費税率を上げても税収は国債の利払いに吹っ飛ぶという皮肉な状況に直面することになるのだ。

■量的金融緩和がデフレの特効薬?

 世界的な先進国のデフレ懸念から米国に端を発した量的金融緩和に日本が追随しECBの実施観測などを受けてまるでデフレの特効薬であるかのような扱われ方をしているが、先進国で長期に渡って実際にデフレに陥った経験を持つのは日本だけであり、このQEも治験のないぶっつけ本番の人体実験さながらの状況に陥っていることは間違いなく、これが結果としてデフレを脱却できるかどうかについては、まだ全く決まったわけではないことも認識しておく必要がある。デフレ脱却を旗印にした日銀の財政ファイナンスによるバランスシートの拡大は、少なくともこれまでの世界経済の歴史の中ではハイパーインフレを起こしてほぼ債務を帳消しにするかデフォルトするしかその最終的な解決策を持たないのが現状だ。

 かかる状況をどこまで正確に理解しているのかは不明だが、自身の名前を冠にして株価の上昇と制御不能寸前の円安を自画自賛する首相と、自らデフレ脱却の救世主を買って出たものの、窮地に立たされて始めている日銀総裁が今後どのような判断をしていくのかが極めて注目される事態となってきている

  • >>10647

    【ローン 米】9月11日(ブルームバーグ):米国での自動車ローンの借り入れブームが終わりに近づきつつある。パビリオン・グローバル・マーケッツの世界戦略・調査責任者ピエール・ラポワント氏はこう指摘する。

    今日のチャートは、米連邦準備制度の四半期データに基づく自動車ローン総額(黒)とその前年同期比(赤)だ。総額は15四半期連続で増え、2005年以来最長の拡大局面となっている。今年4-6月(第2四半期)は9.2%増と、02年以来の大きな伸び率だ。チャートではリセッション(景気後退)の時期を赤い縦棒で示した。

    ラポワント氏らは10日のリポートで、歴史的低水準にある金利と銀行・ローン会社間の競争で乗用車やトラックを買うための借り入れが促され、「クレジットの質が悪化しつつある」と分析した。

    ニューヨーク連銀がまとめたデータは、返済が滞っている自動車ローンが6月末時点で151億ドル(約1兆6100億円)と、昨年の同じ時期と比べ16%増えたことを示している。バンクレート・ドットコムによれば、米国での新車購入向けの4年物ローンは、平均金利が今月9日現在で3.22%と、現在の景気拡大が始まった09年の半分以下だ。

    カナダのモントリール在勤のラポワント氏は「自動車ローンのクレジットサイクルの比較的後期にきている。サイクルが崩れる瀬戸際を意味するわけではないが、注意を要するセクターだ」と記した。

    原題:Auto-Loan Boom in U.S. Bringing More Bad Debt: Chart ofthe Day(抜粋)

    記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク David Wilson dwilson@bloomberg.net

    記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Nagi chrisnagi@bloomberg.netJeremy Herron, Jeff Sutherland