IDでもっと便利に新規取得

ログイン


ここから本文です

戒め朽ちた三菱電機 産業スパイ事件から変わらぬ社風

1月初め、三菱電機は3日間に分けて「重点成長事業戦略説明会」を本社(東京・千代田)で開いた。2021年度から始まった新中期経営計画では最終の25年度に売上高5兆円、営業利益率10%を目指す。ファクトリーオートメーション(FA)制御、電動化と先進運転支援システム(ADAS)、パワーデバイス、空調冷熱、ビルシステムを重点成長事業と位置付け、この5分野を中心に2兆8000億円を投資する。
21年は三菱電機の創業100周年という節目で、「5兆円企業」の実現に向けた前向きの場となるはずだった。だが、冒頭に漆間啓社長が発表したのは名古屋製作所(名古屋市)が品質管理に関する国際規格「ISO9001」の認証を11月5日付で一時停止されたという後ろ向きの情報だった。同製作所が所管する可児工場(岐阜県可児市)で製造する電磁開閉器(マグネットスイッチ)の一部機種が、米国の第三者機関の安全認証を受けていない樹脂材料を使っていたと判明したのが理由だ。
同製作所は三菱電機が得意とするFA事業の拠点だ。FAシステム事業本部長を務める宮田芳和専務執行役は「不適切行為について改めておわびしたい」と述べた後、「先週金曜日(11月5日)に認証停止の通達を受けた。私が把握する限り、ISO9001の取得が採用条件になっているというのは認識していない」と語り、大きな影響はないとの見通しを示した。
しかし、問題の本質は当面の商談に響くかどうかではなく、三菱電機のFA工場が国際標準の品質管理体制を整えていないとみなされた点にある。宮田専務執行役は「来年2月の復帰を目指す」と話すが、単なる認証の再取得だけでは「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で終わってしまう。

産業スパイ事件の反省受け継がれず
1982年6月、三菱電機と日立製作所は米IBMの機密情報を不正に取得しようとして米連邦捜査局(FBI)のおとり捜査の対象になり、社員が逮捕される「IBM産業スパイ事件」を起こした。同年6月23日付の日本経済新聞夕刊は「企業コンサルタントを装ったFBI捜査官に謝礼として三菱電機は2万6000㌦を支払った」と報じた。日立はさらに高額だった。

6503 - 三菱電機(株) 戒め朽ちた三菱電機 産業スパイ事件から変わらぬ社風  1月初め、三菱電機は3日間に分けて「重点成長事