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三菱電、年間配当40円に 杉山社長「減益でも維持」 20年3月期

三菱電機は2020年3月期(国際会計基準)の年間配当を前期と同じ40円程度にする方針だ。同社は期末配当の計画を未定としてきたが、杉山武史社長が日本経済新聞の取材に「減益だが配当は維持したい」と述べた。これまで否定的だった自社株買いの実施も検討する。

中間配当は前期と同じ14円だった。期末配当を26円程度にして配当水準を維持する。

三菱電は昨年10月末に今期の業績見通しを下方修正した。米中貿易摩擦にくわえて、自動車市場の低迷などで主力のFA(工場自動化)機器の販売が振るわない。今期の連結純利益は前期比7%減の2100億円を見込む。

ただ手元資金から有利子負債を差し引いた「ネットキャッシュ」は同9月末で約1250億円にのぼっている。配当性向ではなく「安定的な配当」を基本方針としていることもあり、減益決算でも年間配当は減らさない考えだ。

これまでは成長投資を優先するため自社株買いには否定的だったが、配当を補完する株主還元策として機動的に実施する姿勢に転じる。「財務的な余裕も出てきたため、自社株買いを一つの選択肢として検討している」(杉山社長)

来期中には5カ年の新しい中期経営計画を1年前倒しで発表する予定だ。中計の期間内に株主還元に充てる金額など、資本配分に関する基本方針を示す。

  • >>134

    三菱電機にサイバー攻撃 中国系か、防衛情報流出恐れ

    三菱電機は20日、大規模なサイバー攻撃を受け、個人情報や企業機密が外部に流出した可能性があると発表した。流出した情報には防衛や電力、鉄道などの社会インフラに関する情報や、取引先との製品の受注・開発に関する情報、幹部会議の資料などが含まれているもようだ。三菱電機は「社会インフラに関する機微な情報や機密性の高い技術情報、取引先に関わる重要な情報は流出していないことを確認した」としている。

    関係者によると、中国系のハッカー集団「Tick(ティック)」が関与した可能性がある。三菱電機は「(流出を確認するための)ログが消去されており実際に流出したかどうかの確認はできない」とし、一部が流出した恐れがあるという。

    同社によると、国内外のパソコン、サーバーの少なくとも数十台以上で不正に侵入された形跡が見つかった。不正アクセスされたデータ量は文書を中心に約200メガバイト。防衛省や原子力規制委員会、資源エネルギー庁などの官公庁に加え、電力や通信、JR・私鉄、自動車大手など国内外の企業に関する複数の情報が不正アクセスを受けた。

    同社が不正アクセスに気づいたのは2019年6月28日で、国内拠点のサーバーで不審なファイルの動作を検知した。同様のファイルが中国など複数国の拠点で見つかったため、大規模なサイバー攻撃を受けた可能性があるとし、対象端末について外部からのアクセスを制限した。同社は社内調査を理由に公表していなかった。

    同社は企業など向けにセキュリティー対策を講じる事業を手掛けており、今回の不正アクセスが影響する可能性もある。公共施設やオフィスビル、データセンターなどの制御システム向けサイバーセキュリティーサービスを19年7月から提供。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を導入した工場がサイバー攻撃を受けた箇所を特定する技術も開発している。