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>>462

気候変動問題への対応が世界的に喫緊の課題となっていることを受け、今後も輸送量の増大が見込まれる国際海運分野でも環境保全の意識が高まっている。国際海事機関(IMO)は16年10月に船舶燃料に含まれる硫黄酸化物(SOx)を従来の3.5%以下から0.5%以下に引き下げることを義務付けたSOx規制を採択し、20年1月から本格運用がスタート。また、IMOは18年4月にGHG削減戦略を策定しており、30年までに単位輸送量当たりのGHG排出量を08年に比べ40%削減するほか、50年までに50%削減、最終的には今世紀中のできるだけ早い段階で排出ゼロを国際的な目標として掲げた。

 こうしたなか、世界有数の海事大国である日本では18年に国交省をはじめ、業界団体や大学、公的機関などを構成メンバーとする「国際海運GHGゼロエミッション・プロジェクト」が発足。将来の船が目指すべき方向性やその実現のための議論を重ね、20年3月にゼロエミッションに向けたロードマップをとりまとめた。これによれば世界に先駆けて28年にもゼロエミッション船の実船投入を開始する計画で、その燃料としてLNG(液化天然ガス)と風力、 水素、 アンモニアを有力候補に挙げている。

  • >>463

    アンモニア燃料の船舶開発を具体化するにはアンモニア燃料の舶用サプライチェーンの構築が重要となるが、伊藤忠商事 <8001> と伊藤忠エネクス <8133> は6月にVOPAKターミナル・シンガポール社とサプライチェーンの構築に関する共同研究を行うことで合意したと発表。この共同開発は、伊藤忠とエネクスが並行して進めているアンモニアを主燃料とする主機関を搭載する船舶の開発や供給設備などを含めた統合型プロジェクトの一環として位置付けられている。

     また、プラズマを用いた水素製造装置「プラズマメンブレンリアクター」の技術開発を行い、アンモニアを原料にして水素を製造することで、CO2フリーの水素社会の実現に取り組んでいる澤藤電機 <6901> の今後の動向にも注目したい。同社は19年に木村化工機 <6378> や岐阜大学と低濃度アンモニア水から高純度水素を製造し、燃料電池で発電することに成功している。