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例えば米ティー・ロウ・プライスはUTグループ株5%強を取得。米キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーはハーモニック・ドライブ・システムズ株を5%以上取得した。
海外投資家の存在感は取引の量でも鮮明だ。東証の投資部門別売買動向によると、東証2部やマザーズ、ジャスダック市場における海外投資家の売買シェアは2018年に36%と前年比で7.6ポイント上昇した。この中には先物を駆使して相場の方向性で稼ぐヘッジファンドのような短期筋のほか、長期投資家も含まれる。
海外投資家向けの投資助言を手掛けるいちごアセットマネジメントの吉田憲一郎副社長は「独自技術を持つシェアトップ企業や、キャッシュレス、シェアリングなどを担う新興企業に対する海外投資家の関心は高まっている」と話す。
こうした中長期の海外投資家は短期的な株価の上げ下げを重視しない。その結果、中小型株の価格形成に変化が表れているという。三井住友DSアセットマネジメントで、機関投資家向けの中小型株運用を手掛ける高世智明氏は「かつてはPER(株価収益率)などを見ながら利益確定などのタイミングを計っていたが、この1~2年は従来の尺度が通用しづらくなっている」と話す。
年初から底堅かった中小型株の指数も、足元の値動きは軟調だ。ただ、成長が期待できる銘柄に海外勢の中長期マネーが向かった結果、「評価されるべき企業が正当に評価される市場に変わってきた」(アセットマネジメントOneの関口智信氏)との指摘もある。中小型株市場が企業の成長性を評価する機能を高めれば、長い目で見た日本株の魅力が向上することにもつながりそうだ。