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アナダルコ争奪を過熱させたシェールの底力  編集委員 松尾博文
ニュースこう読む 環境エネ・素材 北米
2019/6/14 4:30
2253文字
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米石油大手、アナダルコをめぐる買収戦は、米オキシデンタル・ペトロリアムが米メジャー(国際石油資本)のシェブロンを退けて決着した。買収総額は570億ドル(6兆2700億円)。石油業界では2015年に合意した英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルによる英BGの買収以来の大型M&A(合併・買収)だ。
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買収額もさることながら、買収戦にはウォーレン・バフェット氏やカール・アイカーン氏ら著名投資家が参戦し、市場の高い関心を集めた。オキシデンタルは戦後史にその名を刻む大富豪、故アーマンド・ハマー氏が経営した名門だ。メジャーを敵に回してもアナダルコを手に入れたかった理由は何だったのか。
「アナダルコをめぐる買収合戦は、パーミアンをめぐる攻防だったと言える」。こう指摘するのは、みずほ銀行産業調査部の藤江瑞彦調査役だ。パーミアンとは米テキサス州西部に広がる油田地帯で、シェール産業の中心地である。
米国は18年に、ロシアやサウジアラビアを抜いて、世界最大の産油国に躍り出た。原動力となったのが、シェールオイルの大増産だ。その産地の中でもパーミアンの伸びは著しい。オキシデンタルとシェブロンはここで生産規模で1位、2位を競う。
オキシデンタルは総額570億ドルでアナダルコを買収する=AP
アナダルコもパーミアンに有望鉱区を持ち、オキシデンタルの鉱区と隣接する場所も多いとされる。藤江氏は「オキシデンタルはアナダルコ買収により、パーミアンでの地位を盤石なものとしつつ、隣接する鉱区の開発などでシナジー効果を追求し、長期的な成長につなげる狙いがある」と分析する。