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先手はシェブロンだった。4月にアナダルコの買収で同社と合意したと発表した。買収により、シェール事業やメキシコ湾の深海開発、米国外での液化天然ガス(LNG)事業での相乗効果が見込めるとしてきた。
これに対し、オキシデンタルで巻き返しを指揮したのは、ビッキー・ホラブ最高経営責任者(CEO)だ。石油開発・生産の技術者として30年以上にわたり同社に勤務し、トップの座についた。彼女を知る国内石油会社の関係者は「アナダルコと自社の鉱区との生産最適化を徹底的に計算したはず。それをシェブロンに奪われたときのダメージもわかっている」と語る。
だからこそ、バフェット氏に頼み込んで資金を用立て、違約金を支払ってでもシェブロンの買収を阻止し、独立系石油会社としての地位を守る決断を下した。
日本にとってアナダルコ争奪戦は、遠い対岸の火事ではない。
シェール産地の中でもパーミアン地区の伸びは著しい=ロイター
オキシデンタルはアナダルコの買収完了にあわせ、同社がアルジェリアやモザンビークなど、アフリカに持つ88億ドル(9680億円)の資産を、フランスのエネルギー大手、トタルに売却することで合意した。パーミアンに経営資源を集中させる一方、アフリカ事業は非中核事業として切り離す。
売却対象のひとつであるモザンビークでは、三井物産がアナダルコとLNG生産事業の準備を進めてきた。総事業費2兆円ともされる巨大事業について、アナダルコや三井物産などで構成する企業連合は18日にも最終投資決定(FID)に踏み切る予定だ。
後戻りのできない重要な節目を控えたタイミングでのアナダルコの身売りと、モザンビーク事業の売却に、三井物産の受け止め方は複雑だ