ここから本文です


アナダルコはLNG生産のかじ取り役である「オペレーター」を務める予定だった。市場にはLNGの経験が少ないアナダルコがオペレーターとなることを不安視する見方があった。トタルへの事業売却によって、三井物産はアナダルコと築いてきた緊密な関係が失われるのではないかと心配する一方、豊富なLNGの経験があるトタルが主導権を握ることで事業の安定性は増すとの期待もある。
買収劇は日本最大の石油開発会社、国際石油開発帝石にも重い問いを投げかける。同社にとって、オキシデンタルやアナダルコは、生産量や保有する埋蔵量でほぼ肩を並べる存在だからだ。
米エクソンモービルや英蘭シェル、英BPなど、メジャーと呼ばれる巨大な一貫操業会社に対し、メジャーの支配から独立して事業を営む石油会社を独立系(インディペンデント)と呼ぶ。
オキシデンタルはシェブロンによる買収阻止に動いた(オキシデンタルのビッキー・ホラブCEO)=ロイター
国際石油開発帝石の生産量は日量50万バレル前後。世界の石油会社の中で15位前後の規模だ。生産量順に石油会社を並べると、同社の前後にアナダルコやオキシデンタル、米アパッチなどの独立系石油会社が続く。国際石油開発帝石も自社の国際的な位置付けを示すために積極的に独立系との比較を使ってきた。
エクソンとモービルの合併よるエクソンモービルの誕生など、スーパーメジャーの再編は最終形に近い。オキシデンタルとアナダルコの選択は独立系も、事業領域の選択・集中と、その手段としてのM&Aから逃れられないことを示した。40年に向けた長期ビジョンで、「国際石油会社のトップ10に入る」目標を掲げる国際石油開発帝石も無関係ではいられない。
アナダルコ争奪戦はこれで終わったのだろうか。物言う株主として知られるアイカーン氏は、オキシデンタルの買収額が高すぎるとして見直しを求めて提訴した。オキシデンタルの株式16億ドル(約5%)分を保有する同氏は「オキシデンタルは買う側でなく、身売りすべき側だ」と訴える。その行方からまだ目が離せない。