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タンカー保険料率10倍に
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ホルムズ海峡近くで日本のタンカーが攻撃された事件を受けて、船舶の保険料率が10倍に高騰している。大型タンカーなら1回の通行で2500万円程度の保険料を支払う計算だ。米国とイランの対立が長期化すれば、料率の一段の上昇が避けられず、原油の輸入コストが増大しそうだ。
エネルギー輸送の生命線であるホルムズ海峡は、世界需要の約2割に当たる日量1700万バレルもの原油タンカーが毎日通る海上の要衝。原油の中東依存度が88%と高い日本としても避けては通れない地域だ。
米国がイラン周辺に空母などを派遣する事態になっており、両国の対立が激化すれば、ホルムズ海峡の航行の安全性が脅かされる可能性がある。
海運会社はミサイルなどの攻撃で船体が損害を受けた時に補償を受けられる戦争保険に加入して備えてきた。
通常は年間の保険料のみだが、5月にアラブ首長国連邦(UAE)沖で石油タンカー4隻が攻撃を受けたことを受けて事態は急変。国内の海運会社によると、5月末からタンカーの船体価格に対して海峡を通過する度に0.025%分の追加料率を課されるようになった。さらに6月13日に日本のタンカーが攻撃されたことで料率が10倍の0.25%まで高騰した。
ホルムズ海峡が封鎖されれば、代替調達は難しく、「約200日分の国内備蓄で事態が沈静化するのを待つほかない」(コスモ石油の河口光康・原油外航部長)という。
今のところ「即座にガソリン価格に反映するほどではない」(元売り幹部)というが、中東地域の政情不安が長期化すると、原油価格そのものも上昇する可能性がある。夏場の行楽シーズンを控え、国内消費に影響を及ぼしそうだ。