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京大病院、3Dプリンターで末梢神経再生
2017/03/01 10:45
近藤 寿成=スプール
 京都大学医学部附属病院と京都大学大学院医学研究科、佐賀大学医学部の研究グループは2017年2月27日、末梢神経損傷に対する新しい治療法として、バイオ3Dプリンターを用いた神経再生技術をサイフューズと共同開発したと発表した。
 末梢神経損傷に対する治療では主に、自己の健常な神経を犠牲にする自己神経移植術が実施されている。自己神経を犠牲にするのを回避できる手法として人工神経も開発されているものの、自己神経移植術を超える成績を得られていないことなどから普及していない。人工神経で良好な結果が得られない理由には、細胞成分に乏しく、サイトカインなどの再生軸索誘導に必要な環境因子が不足していたことが挙げられるという。
 今回、研究グループはサイフューズのバイオ3Dプリンター技術を活用し、細胞のみから成るバイオ三次元神経再生導管の作製に成功。人工神経を大きく上回る神経再生効果を得られたという。
 サイフューズは再生医療製品の開発・製造を手掛ける企業。佐賀大学教授の中山功一氏の技術をもとに、細胞凝集塊を剣山に積層する技術と還流装置を用いた熟成技術を確立し、細胞のみからなる三次元構造体を作製するバイオ3Dプリンターを開発済み。今回はこの成果を生かした。
 今後は非臨床POC(Proof of Concept)の取得や非臨床安全性試験を経て、医師主導治験を3年後に開始する予定。今回の研究成果は2017年2月13日付の米科学誌「PLOS ONE」電子版に掲載された。