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日本機械学会誌

津田駒工業(株) 織機と工作機械のトップメーカーが仕掛ける次のイノベーション

日本にはこんなすごい会社がある!
今年110年目を迎える津田駒工業は、創業以来、日本の繊維機械をリードし続けてきたトップランナーだ。始まりは、創業の9年前に遡ること1900年。創業者・津田駒次郎の叔父に当たる津田米次郎が、絹織物用の力織機を開発した。当時の金沢では、日本の近代化に追随して製糸会社や銅器会社の設立や、鋳造業者の事業立ち上げが相次いでいた。さらに独自の地場産業として、絹織物産業の育成が方向付けられていた頃の話である。

米次郎と共に絹織物用力織機の開発に携わった津田駒次郎は、米次郎が開発した絹織物用力織機の大量発注を契機に、1909年に「津田駒次郎工場」を創業。量産化にあたって、計量法を尺貫法からメートル法に変えるなど、世界照準を見据えたものづくりにいち早く取り組んでいった。中でも同社を世間に印象づけたのが、1931年に誕生したシャットル織機「K型織機」のシリーズである。驚くべきことに、1983年に生産終了となった同シリーズは、今も国内や海外で活躍しているという。「京都の西陣地区でも動いていますが、新品のサプライはない。手元に残る部品を替えつつメンテナンスを続けて使っていただきましたが、さすがに部品もなくなった。それでも西陣織を続けるためにはK型織機が必要と言ってくださる西陣の織物組合様のお声をいただき、地元の鉄工所さんに復元機を作っていただきました」(同社社長室長・加藤三明)。

緯糸を巻いたボビンをシャットルに入れて経糸に通していくシャットル織機は、糸交換の自動化も進められ、世界に誇る日本の繊維産業を支えた。しかし為替の変動相場制移行に伴い1960年代から日本の織物生産は世界の中で急速に競争力を失っていった。そうした中、津田駒は生き残りをかけて織機の分野で「専門内の多角化」を進めるという方針を打ち出し、「ジェットルーム」の開発に邁進した。
https://www.jsme.or.jp/kaisi/1208-36/