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 一方のニッケルについても、EV用の電池に使用されるため間違いなく需要は増加する。自動車向けに関しては、これまで全く使用されていなかったが、EV化が進めば需要は急増することになる。
 そのため、テスラは上流資源に進出する動きを見せている。ちなみに、テスラが掲げた「2030年に2000万台のEVを生産する」という目標の達成に必要な銅は19年の生産量の9%、ニッケルに至っては31%に相当する。EV化の進展が、ベースメタルの需給逼迫(ひっぱく)に直結することは容易に理解できるだろう。
 ニッケルで注意すべき点は、生産国がフィリピン、ロシア、インドネシアなどに偏在していることだ。これらの国は、「資源ナショナリズム」の動きが先鋭化しやすい。
 過去にはインドネシアがニッケル鉱石を禁輸とするなど、供給が政治に振り回されるリスクがきわめて高い。これらの生産国は、供給を盾に国ぐるみで資源外交を行う。これに民間企業が太刀打ちするのは、きわめて困難だ。
 政府は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の投融資や保証の比率を鉱石の種類を問わず横並びに支援するのではなく、メタルごとに柔軟にリスクマネーを提供し、生産・供給国との交渉にも参画し、成長のための資源確保に積極的に行動すべきであろう。