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逆風ブリヂストン、「断トツ」目指す意外な明るさ
                                 2016/10/18 5:30

 毎年この時期に5年間の「来し方」を踏まえて「行く末」を点検するのが、同社の中計の基本的なあり方。そのスローガンは「真のグローバル企業を目指す」と「業界において全てに『断トツ』を目指す」の2つだ。その大目標の下、期間中を通じて連結売上高営業利益率10%、自己資本利益率(ROE)12%などを目指す

中略

長年かけて築いた強固な財務体質が支えだ。リーマン・ショック後には業績が悪化し、有利子負債が約7800億円(08年12月期)まで膨らんで、自己資本比率が4割を切る水準に落ち込む局面もあった。その後8年間かけて財務体質を強化、前期末の有利子負債は4415億円まで減少し、自己資本比率も6割弱まで回復している。単年度の業績悪化なら、しのいで株主還元を続けられる余力がある。
さらに津谷CEOの不思議な明るさの裏には、来期以降の収益回復期待があるのだろう。17年12月期には、利益率が高いがゆえに今期の場合は収益を大きく下押しした鉱山車両用超大型タイヤの販売が回復するとみられる。中国など新興国での鉱山開発需要の低迷が底を打ちつつあるのでは、と水を向けられた津谷CEOは「我々にもその感触がある」と言明した。

 成長戦略の種もまいている。米国でこそ、タイヤ販売網拡大を目指したペップ・ボーイズの買収が昨年頓挫したが、今年に入りフランスで自動車整備やタイヤ販売を手掛けるスピーディ・フランスを買収した。フランスでのタイヤの小売店は約500店舗増加した。独大手タイヤ小売りチェーンとの合弁事業も着実に進んでいる。
ブリヂストン株の17日終値は3918円。6月末に付けた年初来安値からは3割弱上昇しており、市場は業績回復期待を織り込んでいるようだ。予想PER(株価収益率)は11倍台と、おおむね過去3年の平均(10倍前後)のレンジに収まっている。とはいえ、基となる1株利益が来期予想に切り替わってくれば、一段の上値余地も生まれる。まずは11月9日に予定される16年1~9月期の決算発表でその感触が試されることになる