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>>426

はじめに「香料・フレーバー工場向けの極めてラフな係数として敷地1万㎡あたり年産2〜3,000トンとした推定値の上で」と言いました。その仮定の上で、高砂の製造キャパは北米全体の4,000t/年、Givaudan、IFFは年産5万〜8万tという事です。現実には数倍の開きがあるのは当然です。ただ、これは敷地あたりの係数(乗数)に起因するため、計算上は外資大手と高砂で10倍程度のの生産能力差があると弾かれます。(具体的な数値が非公開で分からないため、無理矢理な敷地からの計算になってしまっているので、計算に入っていない敷地部分があると差が出ますし、実際の売上から考えると、せいぜい5倍程度の生産能力差と思います)
あまり詳しく言うと身バレする可能性があるので言いませんが、私は10~5年前に某日系香料会社、外資香料会社、大手外資化学メーカー日本法人の技術コンサルに同行していた事があり、new jersey工場2カ所、georgia工場、日本工場など各社の調合製造工場に視察に入り説明を受けた事が何度かあります。P&G, C&D, Coca-Colaあたりの超大規模メーカーではサプライヤーも絞られており、Top3-5以外の大きな香料会社は香料採用コンペにも入れません。工場も日系のタンクやファーメンターと外資のそれでは大きさの規模が全く違い、外資では〇〇社専用の超大釜で混合します。既存商品の採用が数年に一回の大型コンペで他社に奪われると、タンク丸々負動産となってしまいます。残念ながら日系ではこの規模の超大釜がなく、代わりを務められません(中規模の釜を数機で運用すればなんとか、だが、他メーカー向けに支障がでる)。また、貴殿の言う「製造キャパが限界なのであれば濃度を変えれば済むからキャパは大丈夫」というのはかなり筋違いです。メーカーへの提出は濃度規格が決まっており、次々と薄めて出せば簡単と言うわけにはいきません。ベース香料をつくりある程度効率化は計られてはいますが、特定溶剤で薄められた最終製品を釜で均一混合するキャパはどうしても必要です。おそらく貴殿の想像を超える規模の大きさですよ。実際、このキャパ問題は、超大規模顧客向けのコアサプライヤーに入る際に大きなハードルとなっておりまして、いい香料を提出しても製造できない会社はコンペに参加できません。設備投資を先にしてしまうと、良い香料を提出できず採用されなかった場合、負動産化します。貴殿がどの様な香料会社のどの職種のどのポジションで働いているのか存じ上げませんが、おそらくグローバルマネージメントやBCPには関わっていないのではないでしょうか。「大型案件の受注ができるかどうかに製造キャパはかなりのネックとなる」のが現実で、総合的なコンサル課題として必ず議題にあがります。もちろん、良い香料を出すのは最も大事ですが…私の情報は一昔前のものではありますが、高砂香料が当時より生産能力が上がったおもわせる資料は今のところでていません。つまり、国内では無双でも、世界全体からみれば設備投資や技術投資が遅れていると感じます。グローバル企業向けの香料(特にフレーバー香料)は生産能力的に今後も厳しいままでしょう。個人的には日本の会社に頑張ってもらいたいですが、同じアジア内の中国内でさえ外資に押されている高砂の現実をみると、大規模案件をじわじわと勝ち取っていく未来は今のところ見えません。ゆえに、インフレ率と同程度には伸びるだろう保守銘柄と考えるべきと思います。

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