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【エボラ出血熱】症例数減少も終息には課題…報告書で世界の対応を批判

DMMニュース 2015/4/16 22:50

MSFは、西アフリカにおける過去1年のエボラ流行に関する報告書の日本語版「極限まで、そしてその先へ」を公開した。エボラ対応に携わったスタッフ数十人への取材を基に構成され、1年前ギニアで流行が拡大していた早期のMSFの指摘、初期における流行国政府の否認、集団感染が周辺国を巻き込む一方で国際社会の無反応に直面し、MSFがやむを得ず踏み切った異例の措置を伝える。エボラ危機に臨む国際社会の対応の不備を明らかにしつつ、症例数が減少する中でも、流行は依然終息していないと警鐘を鳴らす。

レポートURL
http://www.msf.or.jp/library/pressreport/pdf/MSF1YearEbolaReport_23031.pdf


MSFインターナショナル会長のジョアンヌ・リュー医師は同報告書を「史上最悪のエボラ流行を振り返り、MSF自らの対応と、国際社会の対応に批判的な視線を投げかけるもの」と表し、「公衆衛生と援助体制が、緊急事態にどれほど効果がなく時間を要するものかという現実を突き付けた」と指摘する。

MSF自身の課題

報告書はほかにも、この1年間にMSFが直面してきた課題と、特定の治療法や十分な資源のない中で踏み切った困難な決断に関しても詳しく伝える。リュー医師は「MSFは流行が最も深刻だった時期に、患者の受入を拡大し、最善の援助を提供することができませんでした。これは有志の医療従事者の団体として痛恨の極みであり、MSF内でも白熱した議論と緊張を呼びました」と述べている。

MSFは引き続き省察を進め、今後の流行発生の際に活かせる教訓を得る考えである。同時に患者のデータを記録・分析し、エボラの致命性に寄与するさまざまな要素を検討していく。エボラのワクチン、治療薬、診断技術の継続的な研究開発に向けた、世界的な戦略の確立も不可欠だ。

終息に向けて残る課題

今回のエボラによる傷は、人びとに保健医療施設への不信を、医療従事者に士気の低下と医療サービス再開への不安を、そして、地域社会には人命の喪失と衰退と疑念をもたらした。流行3ヵ国では、過去1年の間に計500人近くの保健医療従事者が命を落とし、エボラ危機以前から深刻だった人手不足に猛烈な追い風となってしまった。西アフリカ地域の公衆衛生システム再建の第一歩として、保健医療サービスを利用できる環境の復旧が急務だ。

報告書は「今回の流行では国際社会の過ちが露呈し、その代償として大勢の人が命を失った。開発途上国の保健医療体制が抱える弱点にはじまり、国際援助活動の行き詰まりや停滞まで、この流行から得た教訓は、あらゆる人たちの役に立つはずだ」と総括する。

※情報提供:
国境なき医師団(MSF)日本>