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普及率を高めるには住民への丁寧な説明だけでなく、利便性向上のアピールも欠かせない。住民票や印鑑証明などコンビニ交付を導入した自治体(5月7日時点)の割合が8割を超える県の平均普及率は30%を上回る。一方、2割未満の道県では25%以下だった。DXに取り組む人的資源にも差があり、交付数が100万枚を超える都府県では市区町村の情報システム部門に携わる職員の合計が平均で400人を超えた。30万枚未満では100人に及ばない。ITへの意識の違いが普及率の高低となって表面化しているともいえる。

さらに格差は拡大傾向にある。交付開始1年後の17年5月時点のトップは現在と同じく宮崎県(11.3%)。20年1月に2割の大台を超えると上昇ペースが加速、1年強で2倍となった。新潟県は17年5月時点でも43位と低迷。宮崎との差は4.6ポイントから16.5ポイントまで拡大した。

ただ中下位の道県の中でも市区町村レベルでみれば独自施策によって高い普及率を誇る自治体がある。人口350人の離島、新潟県粟島浦村は職員が申請を個別に手助けし、市区町村全国1位となった。

村民の4人に3人がマイナカードを保有する状態は東京都内のITベンチャー、ITbookホールディングスの目を引き、同社が社員を派遣。遠隔診療などを組み合わせた新たな医療体制の構築に取り組み始めた。恩田饒会長兼最高経営責任者は「カードの仕組みを使えば資金に余裕がない過疎地でも遠隔医療を展開しやすくなる」と説明する。

石川県加賀市は直近1年で51.4ポイント増と急伸した。DXを重要施策に位置づけ、100以上の手続きをスマホで完結するアプリ を用いて市役所に立ち寄る手間を省いた。保有者に5千円分の地域商品券を配布したことも奏功した。生活を先端技術で便利にし、産業の活性化も図る「スーパーシティ」にも注力しており、マイナカードを入り口に30年ごろの実現を目指している。

(地域再生エディター 桜井佑介、山本公彦)