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2018-09-07 通販宅配共同化で第4極に(物流インサイドリポート)

 楽天が2020年度をめどに「楽天市場」全店舗の物流を自社化するという。配達効率の良い商業地や住宅密集地なら、既存の宅配便と同レベルか、もしくは安く配達できる可能性もある。ただし、地方はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社に頼るしかない。物量のあるエリアだけ自分でやるという「いいとこ取り」は許してもらえず、割高な運賃を覚悟する必要がある。

 有効な回避策は共同化だ。楽天市場とアマゾンの荷物を一緒に配達すれば格段に効率が上がる。「ヤフー!ショッピング」や「ゾゾタウン」なども加われば、大手宅配に匹敵する物量を確保できる。

 加工食品の末端配送は30年以上も前からライバルメーカー同士の共同化が進んでいる。メーカーが意図しないまま運送会社が勝手に共配を始めて、なし崩し的に定着した。メーカーが中央の物流センターに在庫を集約すると、幹線輸送の大型トラックから中小型のルート配送便に荷物を積み替える通過型の前線基地が各地方に必要になる。その運営を請け負った地場運送会社あるいはその下請けが、届け先の重複する他メーカーの荷物を取り込み、まとめて納品するようになった。共同化はメーカー同士で交渉しても競争意識が先に立ちなかなかまとまらない。運送会社が先に既成事実化することで広まった。

 ECのラストワンマイルでも同じ事は起きている。中国ではウーバー型のマッチングアプリで配達を請け負う個人が、自宅周辺の数キロメートル圏を対象に通販や買い物の配達サービス、出前などを一手に引き受けている。熾烈(しれつ)な物流競争に明け暮れている大手荷主もラストワンマイルの呉越同舟には目をつむっている。翻ってアマゾンジャパンが各地で提携を結んでいる協力運送会社「デリバリープロバイダ」はアマゾン専用便のままでは展望は描けない。楽天市場や他のECの荷物も取り込み共同化を先導すれば依存から抜け出して自立できる。BtoCに特化した宅配市場の第4極を狙える。

(月刊ロジスティクス・ビジネス編集発行人 大矢昌浩)=隔週掲載