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孝男は、風の便りでみきさんが名古屋(名古屋大学)に今日旅立つ事を知った。募る思いが膨らんで居ても立っ

てもいられなくなった。 博多駅のホ-ムに、孝男は、赤いバラの花束を持って立っていた。 みきさんがお母さ

んと一緒にこちらに歩いて来るのが見えた。 気持ちが先行して何をしゃべっていいのかわからなかった。 みき   

さんが私を見つけてお母さんに何かしゃべっているのが分かった。 ついにみきさんといく年ぶりかの再会を果た

した。 私は、まず最初に、名古屋大学現役合格おめでとうと言った。 みきさんは、小さくうなずいた。 そして、

花束を手渡すと共に、手紙を取り出して、開いて読んだ。 『高き志しを持って船出するみきさんに、額田女王の

【熟田津に 舟乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな】を贈ります。 山田孝男』 みきさんに、

手紙を手渡して、そしてお母さんにも祝辞を述べた。 光輝いているみきさんの顔は、とても美しく、綺麗に見えた

。  孝男は、絶対に、みきさんと・・・・・・・・・・・・・・・・・。―みき十八歳の春―。より。