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需給の逼迫は、年間約150万トンとされるストレートアスファルト需要の約3割を占める輸入品が急速に細ったことが主因だ。輸入量のほぼ全量が韓国品。貿易統計によると、8月の輸入量は約1万8900トンと前年比14%少ない。4~8月でも約9万3千トンと前年実績を4割下回る。

景気刺激策として積極的にインフラ投資する中国に韓国品が流れている。需要が旺盛な中国は「日本よりもかなり高い値段で韓国品を買っている」(燃料商社)。あおりで韓国品の輸入単価は8月に1トン3万2千円前後と5月の底値から3割上昇、なお高値が続く。

東アジアでアスファルト生産量が減ったことも一因だ。韓国では1月からの国際海事機関(IMO)による船舶燃料の環境規制強化に対応し、製油所の装置改修が進んだ。「アスファルト留分から付加価値の高いガソリンや軽油を生産する動きが加速している」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の竹原美佳氏)


日本ではコロナ禍で航空機燃料など石油製品の需要が急減。国内全体の製油所の足元の稼働率は84%と前年より4%ほど低い。稼働率を上げると需要が弱い航空機燃料も作れてしまうため、元売り各社は稼働率を上げきれず、アスファルトの供給も細った。

一方、内需は堅調だ。日本アスファルト合材協会(東京・中央)によると、4~9月のアスファルト合材の製造量は前年同期比0.7%減とほぼ前年並み。修繕を中心とした国からの道路工事の発注が底堅いという。

市場では、需給の逼迫は長引くとの見方が多い。アスファルト業界はかねて従業員の高齢化や人手不足といった課題を抱えている。「配送コストもかさんでいる」として道路舗装会社に値上げを求める卸業者も目立っており、値上げの動きが加速する可能性がある。

  • >>845

    アスファルトに先高観 輸入量4割減、中国に流出
    1126文字[有料会員限定]

    道路舗装材のアスファルトに先高観が強まっている。内需の3割を占める輸入品が中国に流れ、輸入量が4割減った上に単価も上昇したためだ。新型コロナウイルス禍で国内生産が減る一方、道路の補修需要は底堅く、調達が難しくなりつつある。需要最盛期を控え、卸各社は輸入単価や配送費の上昇などコスト増加分を販売価格に転嫁する姿勢を強めている。
    指標となるストレート品(東京地区、需要家渡し)の取引価格は現在、1トン7万4千円前後。大口向けでは6万5千円程度の取引もあるようだ。需要が盛り上がる11月~翌年3月を控え、大手道路舗装会社の調達担当者は「タイムリーな仕入れが難しくなってきた」と漏らす。原油急落を映して下落したアスファルトは、原油相場の回復に連動して5月を底に2割ほど値上がりした。ここに来て急速な需給の逼迫を手掛かりに、コスト高を転嫁しようと1トン3千~5千円程度の値上げを求める卸業者が増えてきた。