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goikenban 強く買いたい 4月10日 12:33

オービック営業益1割増
前期、クラウド伸び採算改善
日本経済新聞 朝刊 投資情報 (13ページ)
2021/4/10 2:00
 オービックの2021年3月期の連結営業利益が前の期比1割増の480億円程度だったことが、分かった。会社予想(5%増の453億円)を上回り、27期連続の営業増益で最高益を更新する。会計や販売データを一括管理できる主力の統合基幹業務システム(ERP)「オービック7」でクラウドへの切り替えが進んだ結果、好採算の利用料収入が伸びた。


 21年3月期は新規案件のうち9割はクラウドで、前の期より30ポイント程度上昇した。稼働中の全システムでみても6割程度がクラウドに移行した。ネット経由でシステムを利用するクラウド型は、在宅勤務でも業務をしやすい。テレワーク対応を迫られた企業を中心にクラウドの採用が進んだ。

 クラウド型のシステムでは、顧客企業は自前でサーバーなどの機器を持たず、システム導入時の費用負担も軽い。システム稼働後はデータ量などに応じて利用料収入を払うため、運用コストを下げられる。オービックは稼働後の保守サービスの際に顧客の拠点に出向く必要がなく、エンジニアの稼働が向上する。

 コロナ禍で対面での営業が難しくなり、交通費なども減った。一方、オンライン営業を強化するため、顧客に訴求力のある映像を配信できるよう東京本社など全国3カ所に専用スタジオを設けた。新常態にあわせた先行投資があったが、採算改善が上回り、営業利益率は3ポイント程度高まった。

 売上高は前の期比4%増の840億円程度で、ほぼ会社予想通りに着地した。クラウドの利用料収入は前の期比の1.6倍と伸びた。サーバーなど情報機器の売り上げは前の期を下回った。中小企業向けオフィス用品販売は足元で持ち直しつつあるが、上期の落ち込みが響き、5%程度減った。


 将来の収益に貢献する受注残高は、3月末時点で前年を上回った。企業のシステム投資への意欲は高く、22年3月期も営業増益の会社計画となる公算が大きい。ただ、機器の仕入れ販売の一部が「収益認識に関する会計基準」の影響を受けるとみられ、売上高に与える影響を精査している。

 株価はコロナ禍でもほぼ一貫して上昇してきたが、1月中旬に昨年来高値を付けてから調整局面にある。株価収益率(PER)は50倍で市場全体を上回るものの、足元の株価はアナリストの目標株価の平均値(約2万1880円)を下回っており、割高感があるとはいえない。大和証券の上野真氏は「国内のERPソフトでは目立ったライバルが見当たらない。今後も年10~15%の利益成長は見込める」と指摘する。