ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)キャンバス【4575】の掲示板 2015/09/10〜2016/01/01

ポスター番号:A110(上皮間葉移行の阻害)
カルモジュリンに作用するペプチドCBP501は、悪性胸膜中皮腫、及び非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第2相臨床試験を終えた抗癌剤候補化合物である。同時に、CBP501はG2チェックポイントに直接作用する独自の薬品であるとともに、シスプラチン(CDDP)を取り込むエンハンサーであることが既に確認されている。
試験後のNSCLC患者の解析結果であるが、白血球数が正常である患者群(<8,000個/μℓ)では、全生存期間(OS)の延長が確かめられた。ここでは、CBP501がNSCLC細胞(薬剤の用量依存性に基づく、許容量及び創傷治癒の濃度処置を施したもの)において、細胞遊走能(42%(A549:ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)と70%(H1299:ヒト非小細胞肺癌細胞)、各1μm)、及び浸潤(32%(A549)と49%(H1299)、各1μm)を阻害することを示したい。
これに加えて、CBP501によるEMT(上皮間葉移行)の阻害について、3次元細胞培養プレート(NCP:NanoCulture Plate)上の3次元回転楕円体の形態を観察することで評価を行った。TGF-β(細胞の働きを調節するサイトカインの一種)を処置した細胞で、ごく一般的に観察される回転楕円体の崩れは、CBP501によって減少した。これは、TGF-βが引き起こすEMTを、CBP501が低減することを示唆している。
さらに、CBP501はビメンチン(EMTの動態を示す典型的なマーカー)の発現を減少させ、TGF-βによるビメンチン発現の上昇も抑制する。なお、ビメンチンは細胞遊走能、浸潤に関わる、葉状仮足、浸潤突起を司る重要な機能を有している蛋白であり、EMTがもたらす転移、再発といった癌の進行にも関わっている。これらの結果から、CBP501がEMTの抑制を通じて腫瘍転移を阻害しており、これがOSの延長を導いているものと考えている。

※文字数オーバーで、ポスター番号:C106は2つに分かれました。あしからず。