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NANO MRNA(旧ナノキャリア)の「TUG1 ASO」に関する膠芽腫を対象とした臨床試験は、現在「医師主導第I相臨床試験」の段階にあります。今回の「最終投与レベルに到達」という発表は、その第I相試験が順調に進捗していることを示すものです。
今後の開発進展として考えられるフェーズは、一般的に以下のようになります。
* 第I相臨床試験の完了と結果発表
* 目的: 主に薬剤の安全性(副作用の有無や程度)と、最適な投与量(推奨用量)を決定することです。
* 現状: 今回の発表は、用量漸増試験の最終段階に到達したことを示唆しており、間もなく第I相試験のデータがまとまり、その結果が公表されるフェーズに入ると考えられます。特に、膠芽腫のような難治性疾患においては、安全性だけでなく、わずかながらでも有効性の兆候(奏効率、無増悪生存期間など)が見られるかどうかも注目されます。
* 次のステップ: 第I相試験の結果、安全性が確認され、推奨用量が決定されれば、次のステップに進む準備が整います。
* 第II相臨床試験への移行
* 目的: 第I相試験で決定された推奨用量を用いて、その薬剤が特定の疾患に対してどの程度の有効性を示すか(効果があるか)をより詳細に評価します。安全性も引き続き確認されます。
* 特徴: 比較的少数の患者を対象に行われ、有効性の探索的な評価が主な目的となります。
* NANO MRNAの戦略: NANO MRNAは、早期段階でのIP導出(ライセンスアウト)を目指すIP Generator企業です。そのため、第I相試験の良好な結果や、その後の第II相試験の開始、あるいはそのデータが見え始めた段階で、大手製薬企業などへの導出活動が本格化する可能性があります。
* 第III相臨床試験(Pivotal Study)
* 目的: 第II相試験で有望な結果が得られた場合、より大規模な患者数を対象に、既存の標準治療やプラセボと比較して、その薬剤の有効性と安全性を最終的に確認します。
* 特徴: 承認申請に必要なデータを得るための非常に重要なフェーズであり、時間とコストが最もかかる段階です。
* 承認申請と上市
* 目的: 第III相試験で良好な結果が得られれば、規制当局(日本ではPMDA)に承認申請を行います。
* 特徴: 承認が認められれば、薬剤として市場に投入され、患者さんの治療に用いられるようになります。
TUG1 ASOの今後の見通しにおけるNANO MRNAの事業戦略の考慮点:
NANO MRNAは、自社での大規模な臨床開発を全て担うのではなく、開発早期(特に第I相や第II相の段階)での導出を戦略としています。したがって、今回の「最終投与レベル到達」は、導出活動を加速させるための非常に重要なマイルストーンであると言えます。
* 早期導出の可能性: 第I相試験で良好な安全性と、もし示唆的な有効性のデータが確認できれば、国内外の製薬企業がライセンス取得に興味を示す可能性が高まります。
* 導出条件の向上: 開発が進み、データが充実するほど、導出時の契約一時金(アップフロント)、マイルストーン支払い、ロイヤリティなどの条件が向上する可能性があります。
* 新たな開発フェーズへの移行判断: 導出が実現すれば、その後の第II相、第III相試験は導出先企業が主導することになります。もし導出が叶わない場合でも、自社で次のフェーズに進むか、別の選択肢を模索するかを判断する重要な時期となります。
膠芽腫は非常に治療が難しい疾患であるため、「TUG1 ASO」が新たな治療選択肢となることが期待されます。今回の発表は、その実現に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
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