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ナノバイオファースト2011年10月号より

Interview研究者に聞く

高分子ミセルを組み合わせた、抗がん剤のDDSで治療成績とQOL の向上を目指す

医薬品開発の大きなテーマになっているDDS 。 ナノバイオファーストでは 、ナノバイオテクノロジーを使った DDSや医療システムの研究をテーマに掲げている。DDS のキャリアとして有望視される高分子ミセルの開発者で、ナノ バイオファーストの中心研究者である片岡一則教授に、現在の研究の進捗 状況や将来展望を聞く。
片岡 一則
Kazunori KATAOKA
ナノバイオファースト 中心研究者
東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授 東京大学大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター 臨床医工学部門 教授(兼任)

日本、台湾、ヨーロッパで 臨床試験が進行中
応答して弱まるように設計してやれば、集合体が解離する方 向へと誘導できる」(片岡教授)。例えば、がん組織のそばま で母船のように抗がん剤を運び、そのままそこから薬を放出 する、あるいは、そこで壊れて高分子の鎖をがん細胞に入れ る、または高分子ミセルの形のままで薬を抱え込ませたまま 細胞内に入る、といった作用機序の使い分けができる。高分子ミセルは、その設計によって機能する時間と場所をダイナミックにコントロールすることが可能というわけだ。
ここ10 年ほどでin vivo イメージングや分析の技術が進み、 高分子ミセルがどこにいて、どんな変化をして、どんなタイミングで薬を出すかがわかるようになったのも研究を後押し する力になっている。

ブロック共重合体の精密設計と分子修飾に基づく スマート機能型高分子ミセルの開発

片岡一則教授が開発した高分子ミセルに抗がん剤を内包させた DDS製剤が一歩ずつ実用に近づいている。

4571 - ナノキャリア(株) ナノバイオファースト2011年10月号より  Interview研究者に聞く   高分子ミセルを組み