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――ナノバイオファーストで達成する目標や、DDS の将来像はいかがでしょうか。

佐賀:DDS の過程をイメージングで見る技術を開発して、 想定した通りに血中に滞留していることを証明するの が目標ですが、将来的には、投与前にこのタイプのが んは DDS 製剤が効きにくいと予測できるようになる かもしれません。もうひとつはDDSをイメージング 剤のデリバリーに使い、MRI や PET の感度を上げる ことです。DDS のイメージングを通じて、患者さん に安心感を与えられます。放射性核種ではなく、光の オンオフで DDS 製剤の動態や機能を見ることができる可能性もあります。

松村:これまで開発のスピードは速くはなかったのですが、 少なくともプロジェクトの期間中に大規模試験をいくつか走らせて、臨床的なアウトカムを出すのが希望です。最初のスピードが大事で、その後は第 2 世代、第 3 世代が出ると思います。

中西:DDS によって抗がん剤が持つポテンシャルをもっと 出せる工夫をして、DDS 製剤が魅力的だと伝えられ るデータや説明を用意しなくてはいけませんね。 PMDA ともより積極的に連絡を取っていきます。医 薬品として承認されることがこのプロジェクトの成功 であり、うちの会社の責務ですから。

佐賀:これまでの低分子薬とは違うタイプの薬剤を、しかも 工学部の研究者の方たちと研究できるのは大きな経験 になります。イメージングとナノテクノロジーの合体 に期待しています。まずは動き出したところで、結果 と方向を見極めながら、前へ前へと進んでいきたいと 思います。

(聞き手:サイエンスライター 小島あゆみ)