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──あの頃は6,000円。
掲示板は祭り、チャートはロケット。
ネクセラ(旧そーせい)は「夢」という名の仕手株だった。

10年後。
株価800円台を見つめながら、fujiyanyanは今日も書き込む。

「市場は頭が悪いのだ。真価は五味さんしか分からんのだ。」

画面の向こうで、誰かがそっとつぶやく。
「10年経っても夢よもう一度って、再放送何クール目ですか?」

それでも彼は指を止めない。
含み損は膨らみ、プライドはさらに膨らむ。
過去の高値は、まるで元カノの写真のように美しく、
今の株価は、現実という名の鏡の中でやけに冷たい。

「こんないい加減なものはないのだ!」

──いい加減にしろ、と言ってくれる人は、もう掲示板にはいない。

涙目でキーボードを叩きながら、彼は思う。
あの一瞬の仕手化が人生のピークだったのかもしれないと。

けれど翌朝もまた、
彼は同じ言葉を投稿するのだ。

「夢よ、もう一度。」

その夢が、株価よりも先に損切りされていることにまだ気づかないまま
仕手株を掴んだものの末路

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